ガミガミ言いたくないのに、「宿題をしなさい」「早く勉強しなさい」とつい子どもに口を出してしまうお父さんお母さんはたくさんいます。多くの場合、本当は口うるさく言いたくないのに……と、現状を変えたいと思っています。
「宿題をしなさい」が機能しない理由
「『宿題しなさい!』といった言葉は、最初は機能しても、言い続けているとどんどん効果が薄れていきます」そう語るのは、ママプロジェクトJapanの代表で家庭教育コンサルタントの岩田かおりさんだ。親がガミガミ言わずに勉強好きで知的な子どもを育てる「戦略的ほったらかし教育」を全国に広げている(近著『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』)。
「子どもが注意を聞かなくなっていくのは、大人が口やかましい人の注意を『聞いたふりをしておこう』と受け流すようになるのと同じです」と岩田さんは続ける。
宿題をすることは習慣化の力が重要だという。「まずは宿題などの机に向かって問題を解く勉強を『習慣』として取り組めるようにしておくこと。例えば、歯磨きは楽しいか楽しくないかに関係なく、大人になれば誰でもできるようになっていきますよね。それと同じように、宿題も習慣にしていきます」と岩田さん。
「宿題&子どもVS親」ではなくて、「宿題VS子ども・親」の構図に
宿題の習慣化の仕掛けづくりの前に、岩田さんが相談者のお父さんお母さんに伝えている“大前提”があるという。「学校や習いごとの宿題は『親』の宿題ではなく、『子ども』の宿題だということです。『宿題をするか/しないか』『宿題をいつするか』はあくまで子どもの選択。
今は、『おうちの人が丸つけをしてあげてください』といった宿題が出るケースもあり、そうなると親としてはつい『自分に課されている』と感じてしまうかもしれません。でも、繰り返しますが宿題は子どものもの。親はあくまで、子どもが宿題に取り組むサポートをする存在です」
子どもが宿題をしないことが、まるで自分に責任があるように感じてしまう保護者は少なくないのではないだろうか。それは、「宿題&子どもVS親」の捉え方だと岩田さんは言う。
「本来は、『宿題VS親子』です。『よし! 一緒に宿題を倒そう!』と親と子どもが仲間になり、宿題をやっつけるという構図こそ、親が目指すべきところです」と岩田さん。
宿題の問題を解いたり書き取りをしたりするのは子どもが進めるしかない。では、親は何もしないのか、というとそうではないという。
「最初のうちは、『消しゴム隊だから、間違えたら消してあげるから呼んでね』や『応援ダンスするね』など、どんなことでもいいので親が一緒に宿題へ立ち向かってくれている雰囲気を出してみましょう。親に責められながら宿題をするのと、親子でタッグを組みながら宿題をするのとでは、学びへの印象が全く異なります」(岩田さん)



