「子どもがずっとスマホ…」夏休みの親の悩み、どう解決? 家庭教育のプロが教える3つのルール

休みになると子どもがスマホばかり見ている。注意してもなかなか聞いてくれないし、このままでいいのか不安……。そんなお悩みについて、家庭教育コンサルタントの岩田かおりさんにお話を聞いた。(画像出典:PIXTA)

「スマホのベッド」を用意して夜はデジタルから離れる

「スマホに時間を割き過ぎると、睡眠の質が悪くなり、昼夜逆転の生活になるリスクも伴う」と岩田さん。特に、こうしたリスクに関しては、『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著、久山 葉子 訳/新潮新書)という書籍が参考になると付け加える。

夜、スマホと離れるために、岩田さんは「スマホのベッド」をリビングにつくっているという。

「スマホを寝室に置くと睡眠の質が下がるというエビデンスを知って以降、就寝時は家族全員がそこにスマホを置いて、アラームには目覚まし時計を使っています。これは20歳を過ぎた子どもたちも継続しているわが家のルール。就寝時に、スマホを手放すと朝の目覚めが断然スッキリします」と岩田さん。

最近では、ペアレントコントロールで夜間はスマホを見られないようにしているご家庭も多い。

子どもと一緒にスマホ使用のルールを決めていき、ともに守っていく。「私(親)も頑張るし、あなた(子ども)も頑張ろう」と言い続けていくことが重要だという。

デジタルデバイスの使い分けを実践する

これからの時代、全くデジタルを使用しないことは現実的ではないだろう。大事なことは適切に使っていくこと。

子どもがどうしても「YouTubeが見たい」「検索したい」と言ってきた際には、スマホではなくパソコンを開くように勧めることも1つの方法だと岩田さんは言う。

スマホと同様にデジタルから得る情報だが、パソコンのほうが、目的を持って開くことができ、それが達成できたら閉じるということがしやすい。「スマホでSNSを見ているとあらゆる情報がどんどん流れてきますし、一人でゲームをしていたらエンドレスの状態になってしまいます。それに対して、パソコンであれば区切りやすいでしょう」(岩田さん)

岩田さんは、「岩田家のルールをそのまままねしてくださいということではありません」と言います。大事なことは親の自分軸に沿って、それぞれのご家庭でスマホ使用のルールを決めて、運用していくこと。

戦略なく「みんな持っているから」「静かにしていて便利だから」とスマホを与えるのではなく、「スマホとはこうやって付き合っていく」と軸を持っていくことが重要なのだ。
自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
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岩田かおりさん プロフィール
家庭教育コンサルタント/株式会社ママプロジェクトJapan代表/全国ワーキングマザーの会副代表。幼児教室勤務を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の思いから、独自の教育法を開発。ガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。3人(1男2女)のママ。最新刊『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

この記事の執筆者:佐藤 智 プロフィール
横浜国立大学大学院教育学研究科修了。出版社勤務を経て、ベネッセコーポレーション教育研究開発センターにて、学校情報を収集しながら教育情報誌の制作を行う。その後、独立。全国約1000人の教師に話を聞いた経験をもとに、現在、学校現場の事情をわかりやすく伝える教育ライターとして活動中。最新刊は『渋幕だけが知っている「勉強しなさい!」と言わなくても自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』(飛鳥新社)。
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