
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
「エアコンの室外機からゴキブリなどの害虫が侵入する」って本当ですか? もし侵入するのだとしたら、どのような原因があるのでしょうか。
(回答)
室外機から侵入することはありませんが、エアコンの配管から害虫が侵入する可能性はあります。
室外機から侵入することはありません
エアコンの室内機と室外機は、エアコンの基本機能である「熱交換」を行う冷媒を循環させるために配管によってつながっています。そのため、室外機から害虫が侵入する可能性があると思われるかもしれません。しかし、室内機と室外機をつなぐ配管は冷媒であるガスが漏れないように密閉されているため、室外機から侵入することはありません。
リスクはむしろ「室内機」に?
とはいえ、実際にはエアコンの配管から害虫が侵入する可能性はあります。しかし、そのリスクは「室外機」ではなく、「室内機」にあるのです。害虫が侵入する経路は「ドレンホース」と「配管のすき間」の大きく2つに分けられます。
「ドレンホース」から侵入する場合とその対処法
エアコンが冷房運転をする場合、室内機の熱交換器で室内の空気が冷やされることによって、結露水が発生します。その結露水は、「ドレンホース」と呼ばれるホースによって室外に排出されます。ドレンホースは直径20mm未満と細いものの、その経路から害虫が侵入する可能性があります。対処法は、ドレンホースに「防虫キャップ」と呼ばれる侵入防止グッズを取り付けること。ホームセンターなどで数百円程度で販売されているので、害虫の侵入が気になる人は取り付けるといいでしょう。
「配管のすき間」から侵入する場合とその対処法
エアコンは室内機と室外機がつながっているため、壁に設置されたエアコン専用の配管穴からダクトを通しています。配管穴はダクトよりも大きいため、一般的には「配管用パテ」と呼ばれるものによって穴を埋めています。この配管用パテによってうまく穴がふさがれていない場合には、害虫が侵入する可能性があります。また、配管用パテが経年劣化することで、すき間が生じてしまう場合もあります。対処法は、ホームセンターなどでエアコン配管用パテを購入して配管穴のすき間を埋めること。古い配管用パテをきれいに取り除いてから、配管用パテで配管穴とダクトのすき間をしっかりと埋めて侵入経路をふさぎましょう。
これらの対策を組み合わせることで、害虫の侵入リスクを大幅に減らせます。
All About ガイドがすすめる対策アイテム:バルサン「エアコン排水ホース用」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。