
特別展だけでなく、いつ訪れても楽しめる“常設展”の充実度は、美術館の魅力を語るうえで欠かせないポイント。貴重なコレクションや代表的作品が常に見られる美術館には、根強い人気があります。今回はその実力に注目しました。
All About ニュース編集部は7月11~13日、全国の10~60代の男女250人を対象に「全国の美術館」に関するアンケート調査を実施。その結果の中から、今回は「常設展が充実していると思う美術館<全国版>ランキング」を発表します。
>9位までのランキング結果を見る
2位:東京国立近代美術館/64票
2位には、「東京国立近代美術館(東京都)」が選ばれました。皇居や北の丸公園のほど近くに建つ「東京国立近代美術館(MOMAT)」。なかでも注目したいのが、常設展です。19世紀末から現代にかけての日本の美術を中心に、絵画、版画、写真、映像、彫刻など、幅広いジャンルの作品を展示。約14000点(2025年3月時点)の所蔵作品のうち、18点は国の重要文化財に指定されています。
年に5回ほど展示替えを行いながら、常時約200点を紹介しているため、訪れるたびに異なる作品に出会えるのも魅力の1つ。何度でも足を運びたくなる美術館です。
回答者からは「素敵な近代日本画がたくさんあります。東京に住んでいた頃は定期的に通っていました」(40代男性/兵庫県)、「日本とアジアの美術品が幅広く揃い、年代やジャンルごとに多彩な展示が楽しめるから」(30代女性/東京都)、「広いギャラリーに、色々なジャンルの展示品が並んでいるため」(40代女性/神奈川県)、「14,000点近い近現代美術の作品が展示されている」(50代男性/徳島県)などの声が上がりました。
1位:国立西洋美術館(東京都)/87票
1位に選ばれたのは、「国立西洋美術館(東京都)」でした。
上野公園の緑に囲まれた「国立西洋美術館」は、西洋美術に特化した日本有数の美術館。常設展では、モネやルノワール、ピカソといった名画はもちろん、ロダンの彫刻まで幅広いジャンルの西洋美術がそろっています。
この常設展の中心となっているのが、実業家・松方幸次郎さんが20世紀初頭にヨーロッパで取集し、戦後フランスから日本に返還された「松方コレクション」。その貴重かつ豊富なコレクションを楽しめる常設展は、見ごたえ十分と評判です。
回答者からは「モネやルノワール、ロダンなど西洋近代美術の名作が豊富に揃っていて、ル・コルビュジエの建築とともに、時代を代表する作品群を安定して楽しめるから」(40代男性/静岡県)、「フランス印象派に強い」(40代女性/福島県)、「モネ、ルーベンス、ロダンなど西洋美術の名品が常設で鑑賞できるから」(50代女性/兵庫県)、「西洋美術の名作が常設されており、特にルーベンスやロダンなど有名な作品が見られる点が魅力的だから」(30代男性/富山県)などの声が上がりました。
※回答者からのコメントは原文ママです
この記事の筆者:児玉 友梨 プロフィール
1987年東京都生まれ。フリーライター。地方に移住し、農業の傍ら地域の魅力や暮らしに役立つ情報を中心に寄稿しています。