プレゼン力に自信があっても……慶應SFCの受験生が“30分面接”で見抜かれる致命的な弱点

30分の長時間面接で有名な慶應SFCの総合型選抜。多くの人が「SFCは面接重視」と考えています。しかし、本当にそうでしょうか? 総合型選抜で行われる面接試験の真の意味を探ると、意外な実態が見えてきました。(画像出典:PIXTA)

面接では志望理由書の内容を徹底的に問われる

別の例ですと、関西学院大学に合格した学生は、総合型選抜を受験した際に、「将来は小学生が経済的な理由でスポーツができないということがないように、小学生のチームと企業を結びつけるコーディネーターをしたい」と志望理由書に書きました。

それに対して「そのコーディネーターでどうやって利益を出すのか」「企業がスポンサーになるなら、何かしらのメリットが必要だ。それはどうしていくのか」と具体的なビジネスプランの中身について、質問されました。

この場合は志望理由書に書かれている内容の数倍、そのビジネスに関して考えておく必要があります。

また、桜美林大学は課題図書を出し、それに対してのレポートを書かせ、事前に提出させます。面接ではその課題図書をちゃんと読解しているかを確認します。

これはレポートの確認になります。誰かに課題図書を読んでもらってレポートを書かせることもできるわけなので、ちゃんと本人が読んで理解しているかを面接では確認していくわけです。

慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)の総合型選抜は2次選考の面接に30分かけることで知られます。そのため「SFCは面接重視」ともいわれますが違います。書類重視なんです。

SFCは提出する書類が多いことで知られますが、それらの書類に書かれた内容を吟味して合否を決めるため、2次の面接ではその書類の内容について厳しく確認をしていきます。

SFCの2次で落とされたという大学生たちを何人かインタビューしましたが、全員が面接でうまく答えられなかったケースです。ある学生は「君の話は曖昧だ」「君の能力が分からない」といわれ、不合格になりました。

SFCはAO入試を早くから導入していますが、老舗ゆえに徹底した書類審査重視の選抜を行っていると思われます。
大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法
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杉浦 由美子 プロフィール
受験ジャーナリスト ノンフィクションライター2005年に朝日新聞社でライター活動を始める。月刊誌や週刊誌で記事を書き、『女子校力』(PHP新書)のヒットをきっかけに教育関係を中心に取材と執筆をするようになる。現在は数多くのWEBニュースサイトで連載をし、週刊誌や月刊誌にも寄稿している。最新刊に『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)。
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