【大阪万博】一般デーに行って分かった! 地元民の目線で「混雑回避」ルートを検証した結果

開催中の大阪・関西万博では、入場ゲートや最寄り駅の混雑状況が報道されているが穴場ルートは存在するのか? 大阪在住の旅行ジャーナリストが、一般デーに訪問して分かった「混雑回避」ルートとは。

東ゲートを入ってすぐのミャクミャク像は写真を撮る来場客で大人気
東ゲートを入ってすぐのミャクミャク像は写真を撮る来場客で大人気
 2025年4月13日に開幕した、大阪・関西万博。初日から「ゲートから入場するまで2時間」「会場を退出しても最寄りの駅に入れない」など、大混雑ぶりが次々と報じられた。その一方で、「もう1つのゲートは空いていた」「バスは待ち時間ほぼゼロ」という声も。

今後、ゴールデンウイークの大型連休や夏休み時期など、また混雑が起きないとも限らない。そこで大阪在住のAll About 旅行ガイドが一般デーに訪問した結果を踏まえ、混雑を回避するためにおすすめのルートを紹介する。

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万博会場の最寄り「夢洲駅」で混雑を少しでも避けるには?

大阪メトロ中央線「夢洲駅」の改札を出てすぐの大階段。4本のエスカレーターと、背後にはエレベーターもあった
大阪メトロ中央線「夢洲駅」の改札を出てすぐの大階段。4本のエスカレーターと、背後にはエレベーターもあった
万博の会場である夢洲の最寄り駅は、大阪メトロ(地下鉄)中央線の「夢洲駅」だ。駅を出るとすぐに万博の「東ゲート」が見え、アクセスは抜群。そのため、多くの万博来場者がこの駅を利用する。

中央線は、臨時も含め2倍以上に増発している。もし積み残しにあっても、待てばすぐ次の電車が来る。確実に乗りたい、駅での混雑を避けたい人は、国内外の旅行者が多く利用する「本町駅」や「弁天町駅」でなく、中央線の「堺筋本町駅」「谷町四丁目駅」「森ノ宮駅」などがおすすめ。

万博会場からの帰路についても触れておこう。開場時間は22時までだが、20時過ぎからパビリオンの入場ストップが始まり、大屋根リングも21時以降は上れなくなるため、21時前後から退場客が一斉に夢洲駅へ向かう。混雑を避けたいなら、少し早めに会場を出た方がいい。

ちなみに筆者は、平日21時ごろに東ゲートを出た。人は多かったものの、駅の入口を大きく迂回する動線で、途中で止まることなく改札を通り、ホームに停まっていた列車にすぐ乗ることができた。1本待てば座席に座ることも可能な状況だった。

シャトルバスの西ゲート利用は混雑少なくメリット大な理由

万博会場との行き来に「シャトルバス」というアクセス方法もある。開幕初日から「バス利用が空いている」と、来場者がSNSに次々投稿している。

シャトルバスは、夢洲駅の最寄りとは異なる「西ゲート」が発着となる。東ゲートからの入場が長い行列であることが多いのに対し、西ゲートのほうが待ち列が短いことが多いようだ。現地では東ゲートから西ゲート間の行き来はできないが、入場前に入場ゲートを変更することは可能だ。

運賃は地下鉄利用の方が若干安いが、ゲートが空いているならバスの利用価値は大いにある。特に新大阪駅などからだと乗り換えも必要になるため、確実に座って行き来できるシャトルバス利用のメリットは大きい(桜島駅発着のみ路線バスタイプのため、空席状況によっては立ち乗りの場合あり)。

なお、シャトルバスは「JR桜島駅」は予約なしでも乗れるが予約優先、「大阪駅(梅田)」「なんば」「天王寺」「上本町」「新大阪」「尼崎」「堺・堺東」は事前予約制。朝の時間帯に出発するバスは平日でも満席が多いため、早めの予約が必須だ。

空港バスや高速バスなども「西ゲート」の発着となる。チケット購入後に入場時間を予約する際、「西ゲート」と指定するのをお忘れなく。

大阪駅(梅田)~万博会場間「最善ルート」検証

万博会場への往来で多くの人が利用する大阪駅(梅田)~会場ルートは、主に以下の6パターンだ。

【1】JR大阪駅→弁天町駅(乗り換え)→大阪メトロ中央線
【2】大阪メトロ御堂筋線梅田駅/四つ橋線西梅田駅→本町駅(乗り換え)→中央線
【3】JR大阪駅→西九条駅(乗り換え)、または直行のエキスポライナーで桜島駅
【4】大阪メトロ四つ橋線西梅田駅→本町駅(乗り換え)→中央線
【5】大阪メトロ谷町線東梅田駅→谷町四丁目駅(乗り換え)→中央線
【6】シャトルバス

王道ルートは【1】【2】と、【3】の桜島駅のルート。だが、宿泊先が大阪メトロの四つ橋線や谷町線、また堺筋線などの場合、中央線の混雑は致し方ないとしても、御堂筋線より空いている確率が高い。また、大阪市中心部は、少し歩けば別の駅にたどり着けることも多い。

万博に限らず、事故などで鉄道が運休・大幅遅延する可能性もゼロではない。運行情報に応じ、臨機応変に動きたい。

なお、開幕初日は夢洲駅へ入るのに1時間待ちという事態に際して夢洲の隣にある舞洲まで歩き、そこから別の路線バスに乗って大阪市内中心部へ戻った人もいた。所要時間は約30~40分で道は平坦なので歩けないことはないものの、日除け・雨除けがないため暑い日や梅雨時は厳しい。

ずっと混雑「東ゲート」通過におすすめの予約時間と入場時間

東ゲート、平日10時30分ごろ、10時台入場の待ち列。チケット確認、保安検査を受けて入場する
東ゲート、平日10時30分ごろ、10時台入場の待ち列。チケット確認、保安検査を受けて入場する
万博の入場は、事前に「来場日時予約」を行う必要がある。実際のところ、筆者が来場2日前の夜に公式サイトのマイページで確認したところ東ゲートで9時が「満員です」(予約不可)、10時が「混雑が予想されます」、その他は西ゲートの9時・10時も含めて「空いています」だった。

そこで来場日時を10時に指定し、10時30分ごろに東ゲートへ行くと、思ったよりも列はなく、所要15~20分ほどと言われた。ただ、入場開始の9時台、10時前後は長蛇の列で、その後ろには11時から入場を指定した人の列がすでにかなりあった。

つまり、10時だと10時ちょうどに行かずとも、10時台であればその後の時間を指定している人よりも優先的に入場できる。入場時間を少しずらすのも手だ。ただ、11時以降は当日券の来場者も入ってくるため、午前のおすすめは10時台とのことだった。

現地で体験した地下鉄混雑とシャトルバス予約のハードル

大屋根リングから見た万博会場。東ゲートと西ゲートは会場外では移動できず、会場内は移動可能だが徒歩だとかなりかかる。会場内を巡回するバス(有料)もある
大屋根リングから見た万博会場。東ゲートと西ゲートは会場外では移動できず、会場内は移動可能だが徒歩だとかなりかかる。会場内を巡回するバス(有料)もある
日本国際博覧会協会の発表によると、万博の来場者数は開幕初日は14万人超で、その後は平日6、7万人ほどで推移している。筆者が入場した4月16日(水)は7万1000人、4月23日(水)は9万9140人だった(関係者含む)。

筆者の来場時は、行きは大阪メトロ中央線の堺筋本町駅で列車を1本見送って乗ると座ることができ、そのまま夢洲駅へ着いた。堺筋本町駅の次の本町駅でほぼ満員になったものの、車内がぎゅうぎゅう詰めということはなかった。また、JR桜島駅からシャトルバスで向かった際は、待ち時間なしでバスに乗れた。

帰りは、ホームに停車していた列車は満員だったが、後ろの車両には車内に立つスペースがあり乗車することができた。西九条駅、本町駅で降りる乗客が多かったため、乗り換えも含めてこの2駅の利用が多い。

なお、シャトルバスの切符はスマートフォンのアプリ「KANSAI MaaS」で予約し、クレジットカードなどで決済すると電子切符が発行される。筆者もアプリに登録して操作してみると簡単にでき、出発15分前まで予約できる便利さもある。ただ、デジタル端末を使い慣れていない、また普段現金払いのみの人には利用のハードルが高いシステムだろう。

ちなみに、桜島駅のシャトルバスは当日予約なしでも交通系ICカード決済や現金決済にも対応している。

諸々を考えると、夢洲駅と東ゲートに人が集中するのも致し方ない。デジタル操作などを「使いこなす」ことも、万博での混雑を避ける手段と言える。

<参考>
EXPO2025(2025年日本国際博覧会協会)
Osaka Metro 中央線のダイヤを改正します(Osaka Metro)
 
この記事の筆者:シカマ アキ
大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに取材、執筆、撮影。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も行う。
 
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