
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
ノートパソコンの充電器は純正のものを使わないとダメですか?
(回答)
「USB Type-C Power Delivery」による給電に対応したパソコンで、十分な電力の出力がある規格に準拠した機器なら、非純正でも問題なく使えます。ただし、供給できる電力のワット数、ケーブルの品質はまちまちなので、よく分からない場合は純正のものを使った方が安全です。
「USB PD」に対応していれば規格上は問題ありません
最近はノートパソコンでの対応も増えている「USB Type-C Power Delivery(USB PD)」は、スマートフォンなどでの充電でも使われている規格です。出力される電力は機器ごとに異なるものの、規格上は同じ充電器やケーブルで、ノートパソコン、スマートフォンやタブレット、そのほかの各種周辺機器に充電が可能となっています。ただし、一般に販売されている機器やケーブルの中には、品質が低い場合もあるので注意しましょう。特にケーブルは品質の低いものではノートパソコンで対応できない場合もよくあります。一方、USB PDが普及する前の丸型ピンやDC端子などの専用アダプターを使う場合は注意が必要です。このピンの形状、供給電力は機種ごとに異なっています。そのため、非純正の製品は品質などが担保されていないケース、出力される電力が標準のものとは異なる場合があるのです。
ノートパソコンで「非純正」の充電器を使う場合、注意点は?
ノートパソコンで使う場合、製品の品質自体以外に事前にしっかり確認したいのが供給電力です。一般に販売されているUSB PD対応のACアダプターは、スマートフォン向けの20W前後のものや、複数の機器向けやノートパソコンに対応する65Wやそれ以上の出力能力のものがあります。機種によって変わるものの、一般的にノートパソコンでは65Wの供給電力が必要です。スマートフォン用のUSB PD充電器は20W前後の出力が一般的なので、このような機器ではノートパソコンではフル機能が使えません。スリープ中のノートパソコンへの充電は一般的には可能なものの、使用中のノートパソコンに繋いでも、供給電力量が不足しているというエラーメッセージが表示されることがあります
ノートパソコンで非純正の機器を使う場合、供給電力量は純正充電器と同じかそれ以上のものを選びましょう。各USB PD機器には出力として5.0V/3.0A 、20.0V/3.25Aなどの表示があります。「電圧(V)×電力(A)」で出力(W)は求められるので、純正機器に最大値として20.0V/3.25Aとある場合なら、最大で65Wの出力があるという意味です。非純正機器を使う場合は、純正品と同じ最大供給電力量がある機器を選びましょう。よく分からないという場合は、なるべく大きな供給電力量に対応しているものを選べば、小さいものにも対応できるので問題はありません。もちろん、スマートフォンなどの充電にも使えます。
繰り返しになりますが、注意すべき点は、利用機器自体がUSB PDに対応しているか、対応しているなら対応している電力、各機器や使用するケーブルの品質になります。よく分からない場合は、純正機器をそのまま使うのが最も安全です。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。