やみくもな志望校選びは混乱の元
中学受験の志望校選びは子どもの将来だけでなく、勉強意欲にも直結します。だからこそ、塾や中学受験雑誌では「学校説明会や文化祭などのイベントに積極的に参加して、子どものやる気を引き出そう」と呼びかけるのでしょう。
しかし、たくさん学校説明会に参加すると、学校ごとの良さが目に入り、どの学校を志望校にすればいいのか混乱してしまうこともあります。
8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさんは、「まずは志望校に関する判断基準を明確にして」と語ります。
中学受験の志望校選びのため、学校説明会に参加する際はどんな判断基準を持つべきか。合わせて、なかなか勉強しない子どもを叱る方法についてオトクサさんなりの考え方を『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。
志望校選びは判断基準を明確に
オトクサ家では、小学5年生の時に開成中学校の説明会に参加しましたが、それ以外は何も参加していません。学校が開催する説明会や文化祭への参加は、各家庭それぞれの判断だと考えています。実際に足を運べば子どものやる気スイッチにつながりますし、保護者の新しい発見にもなるので、まったく否定はしません。実際、オトクサ家の三男は、長男が運動会で出場した「馬上鉢巻取り」に憧れ、開成中学校を受験したいと言っています。
しかし、受験する可能性があるからと闇雲に説明会に参加するのではなく、何を聞くのか、何が判断基準なのかを明確にして参加することが大切です。判断基準を持たないまま漠然と参加すると、どの学校も素晴らしく見えてしまう傾向があります。

「雰囲気がいい!」「インスピレーション!」といった感想は、実際に通う子どもが感じ取るならいいのですが、親が感じる「何となくいい」という印象は意味がないと考えています。
わが家の判断基準はとにかく「学校へ通いやすいかどうか」です。通学時間が短いに越したことはありませんが、たとえば乗り換えて5駅なら、乗り換えずに10駅の学校の方が優先度が高くなります。
実際に通う可能性があると考えていた渋谷教育学園渋谷中学校には、平日の通学時間に長男と一緒に行ってみて、通学がつらくないかの確認をしました。
三男は開成中学校の運動会で心を動かされたため、兄と同じ学校を目標にしていますが、今のままでは到底届きません。2年後に心置きなくチャレンジできるように、受験日が2月1日以外で、通いやすい中学校のピックアップをしているところです。