中学受験の「過去問」は、実物大コピーが必須!? 通塾なしで開成合格を遂げた家庭学習法

中学受験に挑むうえで悩むのが「過去問の取り組み方」。何年生から、何年分取り組めばいいのか。面倒な「実物大コピー」は必須か。『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。

実物大コピーより、子どもが自分で取り組める環境を優先

過去問については「できる限り受験本番に近い環境でテストができるように実物大にコピーする」という方々もいるようですが、オトクサ家ではコピーは取りませんでした。ぶ厚い問題集をそのまま、ページが閉じないように左手で押さえながら解いていました。解答用紙も小さいまま使用し、計算だけは別の紙を使いました。
 
「できる限り受験本番に近い環境」という言葉をよく耳にしますが、オトクサはほぼ気にしません。受験本番は、場所も違う、机も違う、雰囲気も違う、そして何より本人の気持ちが一番違います。
 
仮に定量的に置き換えるとして、自宅での過去問取り組みが1、受験本番が10とした時に、コピーすることで1近づけられるのであれば意味があります。しかし、そもそも過去問が1だとしたら、本番は100万くらい違うものだと思っています。コピーして1近づけたとしても、大勢に影響がないのです。
 
また、いちいち拡大コピーをしていたら、子どもは一人で過去問に取りかかれず、毎回親が準備することになります。もちろん塾に提出する宿題がある場合は仕方ありませんが、「コピーの負担が大きい」というのは受験生の保護者によくあるお悩みです。
 
子どものためにコピーしたり、プリントを整理したり、できることを全部やろうという気持ちも大事かもしれません。しかしオトクサ家では、コピーにこだわる必要はないと考えました。
 
実際、ぶ厚い問題集のページが閉じないように左手で押さえ、小さい解答用紙に答えを記述していた長男は、模試やテスト本番を快適に受験できたようです。まるで「練習中は重りを背負って走るアスリートのようだ」と笑っていました。

親の時間が取れない時代だからこそ

中学受験は「親子の受験」と呼ばれ、親のフォローが合否を左右すると言われています。だからこそ、「親として、過去問の実物大コピーを作ってあげなきゃ」と一生懸命にサポートしてしまうもの。しかし、共働きだったりすると親の時間もなかなか取れないものです。

「過去問に取り組む理由は何か」を考え抜いたオトクサ流勉強法は、肩の力を抜いて中学受験に取り組む一助となるかもしれません。

『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』には、従来の中学受験の考え方を覆す「オトクサ流」勉強法が多数載っています。普段の自宅学習にも役立つ一冊。ぜひご覧ください。
通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法
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オトクサ プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している。
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