
2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻から3年となることに合わせて開かれた国際連合安全保障理事会(以下、安保理)で、アメリカは「紛争終結」を求める決議案を提出、決議は採択されました。これに対し、All About ニュース編集部が25日11時30分時点で集計したアンケートで、回答者からさまざまな声が集まっています。
「戦争」ではなく「紛争」。ロシアに非のない決議書
24日に行われた安保理で、アメリカは「紛争の速やかな終結」と「両国の永続的な平和を求める」決議案を提出。採決ではアメリカやロシア、中国をはじめとする10カ国が賛成し、決議は採択されました。アメリカは、ドナルド・トランプ政権の元でロシアに融和的な姿勢に一転。アメリカの決議案には、「侵攻」という言葉が使われず「戦争」ではなく「紛争」とするなど、ロシアに批判的な内容が盛り込まれていなかったことから、フランスやイギリスなど5カ国が棄権。アメリカとヨーロッパとの亀裂が浮き彫りになっています。
安保理に先立って行われた国際連合総会では、ウクライナとヨーロッパ諸国が中心となって作成した、ロシア軍の「完全かつ無条件での即時撤退」を求め、「戦争の年内終結」の必要性を訴える内容の決議案が、日本など93カ国の賛成多数で採択されたものの、アメリカ、ロシアは反対に回り、両国を含む18カ国が反対、65カ国が棄権しました。
終戦への期待感の一方で、「小国が大国に振り回されている」と困惑の声
All About ニュース編集部は25日、「今日印象に残ったニュース」に関するアンケートを実施(回答者100人)。その中でも、「紛争終結」を求めるアメリカの決議案について、さまざまな意見が上がりました。「戦争が終わるのは喜ばしいことだが、ロシア寄りの法案提出な気がして、今後もロシア寄りで停戦協議が進められそうで怖い。ウクライナ、ロシア双方の歩み寄りを大事にして、アメリカは進めていって欲しい」(23歳女性/長崎県)
「これまでアメリカが決議案を提出することがなく続いてきた戦争が、アメリカが動くことによって早期に終結するのではと期待感を持った」(39歳女性/千葉県)
「終戦に向けて前進が見られました」(48歳男性/山形県)
「小国が大国に振り回されている」(35歳男性/埼玉県)
「ウクライナを見捨てて、ロシアの思い通りに停戦させることは、日本の安全保障にも影響がありそうで、他人事ではないと不安になった」(47歳男性/静岡県)
「戦争とせずに紛争と表現を和らげているところに、当事者への配慮がなされていて、政治には高度な技術が使われているな、と思いました。個人的には、ウクライナを一方的に進行したロシア側が悪いような気がするのですが、アメリカがロシア側と有効な関係を築こうとしている点や、被害者と思われるウクライナへ厳しい条件を示している点などを考えると、この紛争にどのような背景があるのか、分からなくなりました。偉い方々は何を思って行動しているのか、政治の世界は難しいな、と思いました」(39歳男性/神奈川県)
「いよいよウクライナ戦争終結に向かうのかと興味深いです。戦争に関連して小麦粉の価格高騰など物流にも影響があったので、改善するのを期待」(36歳女性/北海道)
「大国がこのような判断を取ってしまうのは由々しき事態だと思います」(23歳女性/宮城県)
「早く戦争が終わってほしい」(29歳女性/神奈川県)
※回答者のコメントは原文ママ
※調査はインターネット上で実施し25日11時30分時点で集計