アメリカのセレブタレント、キム・カーダシアン・ウェストさんは3日、滞在先の仏パリで男らに銃を突き付けられ、1000万ドル(約10億円)相当の宝飾品が盗まれた。ロイター通信などによると、被害に遭ったのは、著名人や富裕層が利用する高級滞在施設内。カーダシアンさんはツイッターやインスタグラムで頻繁に日常生活を公開していたことから、今回の事件について、SNSが引き金となったのではないかと指摘する声もあがっている。
インスタグラムをはじめとするSNSは、世界中の人とコミュニケーションが取れる便利で楽しいツールである一方、間違った使い方をすれば危険な思いをすることもある。どうすれば身を守ることができるのか、複数の専門家が解説している。
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過去にもしInstagramの設定を間違っていたら、気づかないうちに自宅の情報や行動範囲がバレバレ…、そんな危険性を指摘するのはインターネットサービスに詳しい野本纏花氏。ストーカー被害のような危険な目に合わないためにも、これを機に、ぜひ自分の投稿した写真を見直すことが必要だという。
間違えて位置情報を追加していないかチェックが必要
野本氏によると、Instagramでは写真をアップロードする際に、任意で位置情報を追加することができるが、自分の意志で位置情報を追加しない限り、自動的にExif情報(画像とともに記録される撮影情報)から位置情報が取得されることはないという。
しかし、かつてのInstagramでは現在の「位置情報を追加」ではなく「フォトマップに追加」となっていた。ここがオンになった状態に気付かずに、場所を公開したくない自宅などの位置情報を誤ってつけたまま投稿してしまうという悲劇が起きていた可能性があるという。
「フォトマップ」とは、位置情報を地図上にまとめたもので、プロフィールページの「チェックインマーク」をタップすると見ることができる。過去に自分が意図せずフォトマップに追加してしまった写真がないか、チェックしてみよう。
位置情報がなくても撮影場所はバレる?
位置情報を削除した写真なら投稿しても大丈夫なのか? 自宅や友達の家の場合、周りに写り込んだ風景から場所を特定される可能性は、ゼロではない。もし窓の外に目立つ看板が写っていたら、撮影地域や撮影された方角などは簡単に特定されてしまうと指摘するのはSNSに詳しい島田祥輔氏。プライバシーの高い写真をインターネットに公開するときは、個人や場所を特定できるようなヒントが写っていないか、念入りに確認し、友達といっしょにいる場合は、その友達にも確認してもらうのが理想だと島田は述べている。
SNSにぜったいに投稿してはいけない画像とは?
お買い物した品物や自慢の持ち物の画像をアップすることは楽しみの一つだが、コレだけはダメ、というモノは「自宅の鍵」だという。防犯に詳しい佐伯幸子氏によると、「ウチのはセキュリティレベルの高いキーです。こんな感じ」といって画像を載せたり、キーホルダーがかわいいので鍵も一緒に写してしまったり…というのはNGなのだという。鍵のヘッド部分に記載された個体番号が知られればメーカーから直接取り寄せることも可能なうえ、画像を見えれば合いカギを作ることも簡単。今どきは「3Dプリンター」もあり、手先が器用なら糸ノコを使って自分で作ってしまう人もいると佐伯氏は述べる。
自宅が特定できる景色や建物に加え、鍵の情報まで公開したら…、もう命と財産を危険にさらしているも同然。ストーカーや強盗被害に合わないために、SNSに画像を投稿する際は、十分に注意が必要だといえそうだ。
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