「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
電子レンジの加熱ムラが気になります。原因と対処法を教えてください。
(回答)
なるべく食品を庫内中央に置くなど、対策をすることで改善する場合があります。また、ターンテーブルタイプの電子レンジでは、よりムラが生じやすい場合もあるのであまりおすすめしません。
ターンテーブルタイプは加熱ムラが生じやすいのでおすすめしません
電子レンジはマグネトロンと呼ばれる装置によって発生したマイクロ波が、食品内にある水分子を振動させることで熱を発生させ、食品を温める仕組みの家電。タイプは大きく2種類に分けられ、庫内にある皿が回転するターンテーブルタイプと、庫内の下部がフラットになっているフラットテーブルタイプがあります。これら2つのタイプには、どちらも加熱ムラをなくすために回転機構が備えられています。ターンテーブルタイプは食品を置くターンテーブルが回転することでムラをなくすのに対し、フラットテーブルタイプはマイクロ波を放出するアンテナが回転するようになっています。
ターンテーブルタイプでは、お皿やお弁当のサイズが大きくてターンテーブルの円内に収まらない場合にターンテーブルが回らなくなってしまいます。ターンテーブルが回転しないとムラが生じてしまうため、円内に収まるお皿に移し替えるなどの対策が必要になります。ターンテーブルタイプは庫内の大きさに対して温められるサイズが小さくなるため、あまりおすすめしません。
フラットテーブルタイプの場合、アンテナの回転が何かによって妨げられることがないため、加熱ムラが生じにくくなっています。もしそれでも加熱ムラが生じている場合、アンテナの回転機構が故障している可能性も考えられますが、ほかに原因があるかもしれません。
加熱ムラが起こる原因と対策は?
加熱ムラが生じる原因と、その対策方法には以下のようなものがあります。食品が中央に置かれていない
電子レンジの庫内はマイクロ波を反射させるため、庫内中央付近に集まりやすくなっています。食品を庫内の隅付近に置くと加熱ムラが生じやすいため、なるべく庫内中央付近に置きましょう。冷凍食品を正しく温めていない
冷凍食品を電子レンジの自動あたためモードで温めてしまうと、ムラが発生することもあります。パッケージに記載されたワット数に従うなど、正しい方法で温めるようにしましょう。庫内に食品や調味料、油などの汚れが付着している
庫内に食品や調味料、油などが付着していると、マイクロ波がそれらを温めてしまい、加熱ムラが生じやすくなります。なるべくきれいに拭いてから使うようにしましょう。食品の大きさがそろっていない
一度にさまざまな食品を温める場合、食品の大きさや厚さがそろっていないと加熱ムラが生じてしまいます。なるべくそろえるようにしましょう。高出力で温めている
1000Wなどの高出力は500Wや600Wなどの低出力に比べて早く温められて時短になりますが、実は同時に、高出力で加熱するほどムラが生じやすくなります。できるだけ時短したい人は高出力のまま、もしくは「自動あたため」で使ってもいいですが、温めムラが生じた場合は再加熱してください。加熱し過ぎやムラの発生を防ぎたいのであれば、500Wや600Wといった低出力で温めることをおすすめします。All About ガイドがすすめる電子レンジ:東芝「ER-YD3000」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。