リュウさんは大学3年生の時、札幌の大学に転入し、卒業後にそのまま日本で就職。アパレルの販売員などを経て、現在は、広告会社の運用などを行う外資系の会社に、今までで最も長い期間在籍しているそうです。
最初は「なにこれ?」。後から好きになった日本の食品
リュウさんに好きな日本の食べ物を聞くと、「最初は『なにこれ』と思ったのですが、今は納豆が好き」と言います。「納豆のにおいが苦手だし、納豆自体は味もしない。北海道に住んでいたとき、コンビニに納豆とキムチを混ぜた納豆巻が売っていて、食べてみたら『意外といけるかも』と思ったんです。それから、だんだん納豆が好きになってきて今では納豆とご飯と卵でおいしく食べられるようになりました」と話してくれました。
一方で、苦手な食べ物はちょっと意外な料理でした。「実は、ラーメンが苦手です。中国でも、私の出身地・天津など北の方のラーメンは、さっぱり系が多いんです。日本のラーメンは、脂っこくて中国に比べて味が濃い。いまだに、あえて食べたい! とは思わないんです」とのこと。
「日本のラーメンでも、中華そばやソーキそばなど、細麺やさっぱり系は好きだし、うどんも好きです」とのこと。さらに、インスタントラーメンは好きなのだそうで、「塩ラーメンとか、さっぱりとした味も多いから食べられます」と教えてくれました。
中国・天津出身だけど、「天津飯ってなに?」
ひと言で「中華料理」と言っても、広大な中国では、地理的な条件の違いなどから北京料理、上海料理、四川料理など、エリアごとに特色が異なる料理が存在しています。リュウさんは、日本の「中華料理」を食べた時、「これが中華なの?」と思ったのだそう。「日本で食べる中華料理は南の地域の味付けが多いと思います」と言います。さらに、リュウさんが驚いたのは「天津飯」というメニューの存在。「『天津ってなに?』と驚きました。私の出身地・天津にはないメニューです。食べてみたらおいしかったですけど」と続けました。
言わずと知れた話かもしれませんが、「天津飯」は、日本の大衆向け中華料理屋さん発祥のメニュー。発祥の地は浅草とも大阪とも言われていて、日本生まれの中華料理(?)です。「『台湾ラーメン』とか『台湾まぜそば』も台湾にはないです。日本発祥です」と、日本で出会った不思議なネーミングのメニューについて話してくれました。
日本の「たこ焼き」には、アレがない!
中国で親しまれている日本料理を聞くと、「たこ焼き」とのこと。「中国で、よくたこ焼きを食べていました。中国のたこ焼きはワサビをつけるんです。日本でたこ焼きを食べたとき、『あれ? ワサビがない』って思いました」と言います。さらに、「中国では、餃子も水餃子も肉まんも主食です。帰宅して『今日のご飯は水餃子だよ』と言われたら、水餃子しか出てきません。これ一つで食事は完成。一般家庭では、水餃子が残ったら、翌日は揚げて食べます」と言い、同じ食べ物でも中国と日本では食べ方が違うことを教えてくれました。