「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
中古のノートパソコンの購入を検討中です。メモリが4GBのモデルなのですが、Windows 11の使用時に足りますか?
(回答)
Windowsは各バージョンでの動作要件があります。Windows 11の場合、メモリは4GB、ストレージは64GB以上となっているので、メモリは4GBでも動作はします。
何でもよいから動けばよい、という場合は問題ありませんが、まともに使うならせめてメモリは8GBほしいところです。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
せめて8GBはほしいところ。おすすめは16GBから
そもそも、パソコンはストレージからデータをメモリに保存し、そのメモリ内のデータをCPUが読み出して動作します。メモリが多ければ多いほど、一度に読み出せるデータ量が多くなり、パソコンが快適に動作するわけです。ノートパソコンが必要とする要件ギリギリの少ないメモリでも動作はしますが、かなり遅くなってしまいます。ただし、最近のモデルではストレージにHDDよりもアクセスが速いSSDが採用されているので、以前よりはメモリの少なさによる動作速度の低下は緩和されています。しかしそれでも、メモリが少ないと何をやってももっさりしている動作になります。Windowsのそれぞれのバージョンには必要なメモリの容量が動作要件として定められており、Windows 11の場合、動作要件は4GB。4GBのメモリでOS自体とソフトが動作するということですが、要件ギリギリのため、すべてのソフトが快適に動作するわけではありません。さらに、メモリはOSやソフトを動かす用途以外にも使われているため、実際に使用できるメモリの量は4GB以下となってしまうのです。
また、大容量メモリ搭載のWindowsパソコンで、OS起動後に何もソフトを立ち上げていない場合のメモリ使用量を見てみると、6GB程度からとなっています。何もしなくても、OSだけでこれだけの容量を使っているということです。この場合、多少余裕をみてメモリ8GBにしても、空きが2GBしかなく、全く余裕がない状態と分かります。
このように、Windows 11で本当に快適に動作するメモリは4GBでは全く足りず、せめて8GBはほしいといえます。ただし、それでも余裕はありません。一般的に選べる16GBからがおすすめです。
また、メモリ4GBの中古品だと、CPUなど他の面でも性能面での不安があるので、その点からもお勧めできません。中古製品を選ぶ際は、メモリはもちろん、Windows 11に対応できるCPUか、ストレージ容量は問題ないか、バッテリーの劣化状況なども確認してください。
安さで選ぶならChromebookも候補に
単純に「安さ」だけを重視して選ぶなら、Windowsにする必要もないです。例えば、Chromebookという選択肢もあります。ChromebookはChromeブラウザを動かすのが目的のようなパソコンで、性能も限られた物が多く、価格も新品でも手頃です。性能は比較的低いですが、基本的にChromeブラウザの動作しか想定していないので、低い性能でも比較的快適に動作します。パソコンで何らかのソフトを動かすより、YouTubeなどの動画サイトを見たり、そのほかさまざまなサイトを表示する用途ばかりで使う場合は、Chromebookも選択肢に入ってきます。
WordやExcelなども使えるので、低価格なパソコンを選ぶ場合はChromebookも検討してみてください。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。