西武新宿線「上井草駅」には何がある？ ガンダム像に老舗サンドイッチ店……個性的な魅力が詰まった街

東京都杉並区上井草に位置する、西武新宿線の「上井草駅」。急行が停車する「上石神井駅」の隣駅、各駅停車しか停まらない比較的小規模な駅です。そんな「上井草駅」の魅力を探るべく、駅周辺を探索してみました。

上井草駅の家賃相場は？

西武新宿線の上井草駅。新宿区歌舞伎町1丁目にある「西武新宿駅」まで乗り換えなしで約20分、JR「新宿駅」まで約28分、「東京駅」まで約50分でアクセスできます。家賃相場は、駅徒歩10分以内、築年数10年以内だと、ワンルームで7.1万円、1LDK10.9万円、2LDK12.7万円（SUUMO、2024年9月18日閲覧）です。

「上井草駅の改札」に注意！

まず、上井草駅の注意点です。改札が上りと下りで独立しているため、改札を入ってからの行き来ができません。駅の南口改札前に「こちらは下りホーム専用」「この改札口から反対側のホームには行けません」と口酸っぱく注意している（イメージの張り紙がある）ように、慣れていないと間違う人が多いのかもしれません。

かく言う筆者も、帰りに逆の改札に入ってしまい、駅員さんに処理してもらって入り直す、というお手間を掛けてしまいました（駅員さんはそんな乗客対応には慣れているようです）。

上井草は『機動戦士ガンダム』誕生の地！

上井草駅の南口には「機動戦士ガンダム立像」がお出迎え。上井草にガンダム……？  調べると、上井草は多くのアニメ制作会社が集まるエリアで、『機動戦士ガンダム』を制作したアニメーション制作会社「サンライズ」の本社があるとのこと。なんと、ガンダム誕生の地なのです！ ちなみに電車の発車ベルは『機動戦士ガンダム』のテーマソング『翔べ！ガンダム』。駅前をガンダムが守ってるなんて、うらやましすぎます（ガンダム像背後に交番もあり）。

都内最大級のスポーツ施設と「早稲田大学ラグビー場」

まずは、駅の南口周辺を探索。南口改札を背に右手に進むと、徒歩3分ほどで「早稲田大学ラグビー場」に行きつきます。7月には、日頃早稲田大学ラグビー部を応援している人や地域の人との交流を目的とした企画「北風祭2024」が開催されるなど、街の活気に大きく影響しているようです。 隣には、グラウンドやテニスコート、温水プールに弓道場まで備わった都内最大級を誇る区営のスポーツ施設「上井草スポーツセンター」があります。 この日は休日でしたが、グラウンドでは野球の試合が行われていたり、温水プールに訪れる家族連れなどでにぎわっていました。

深夜0時まで営業のスーパーや洗練されたカフェ

駅に戻り、今度は南口改札を背に真っすぐ伸びる通り沿いには、荻窪方面へ向かうバスのバス停やスポーツジムの「chocoZAP上井草」や、7時から深夜0時まで営業しているイオングループのスーパーマーケット「まいばすけっと上井草駅南店」などが立ち並びます。 「まいばすけっと上井草駅南店」の隣には、こぢんまりと洗練された外観のカフェ「SLOPE（スロープ）」があります。 店内に一歩入ると、外の喧騒（けんそう）を一瞬で忘れてしまうような落ち着いた空間が広がります。

自分で選んだコーヒー豆をフレンチプレスで淹れてくれるコーヒーやマフィン、スコーン、ケーキなどの焼き菓子はテイクアウトも可能。 ずっしりときめ細かい生地の焼き菓子は、季節ごとのラインアップが待ち遠しくなりそうです。

「上井草商店街」には個人経営の飲食店や居酒屋などが並ぶ

駅南口を背に左方向へ進むと、「上井草商店街」があります。 商店街入り口には「セブン-イレブン」があり、個人経営の飲食店や居酒屋などが立ち並ぶ店舗の中には『ガンダム』シリーズのシャッターアートを見つけることができます。

人気行列店『カリーナ』のサンドイッチが絶品！

今度は踏切を渡って北口方面へ。南口よりこぢんまりとした駅改札の隣には「ファミリーマート」があります。踏切を渡ることなく、どちらの改札を出てもコンビニがあるのはありがたいです！

北口駅前の道を真っすぐ1分ほど進むと、何やら人が並んでいる店舗が。なんともエモい外観の人気サンドイッチ専門店「カリーナ」です。 6時から14時までの営業時間なのですが、なにせ人気店のため、完売で早々に閉店してしまうことも。この日は、なんと11時前に閉店してしまいました！ 運よく購入できたサンドイッチは、柔らかいふわふわの食パンに昔ながらのオーソドックスな具材がたっぷり。斬新さもない、クセもない、シンプルで優しい味がかみしめるほどにおいしいのです……これは、また買いに来なければ！ 「カリーナ」の道路を挟んで向かい側にあるのは、スーパーマーケット「マルエツ 上井草駅前店」。 地域住民の要望に応えて閉店時間が延長し、9月16日から営業時間が9時から23時になったとのこと。日用品やお弁当、総菜などもそろうため、帰宅時間が遅い人にも頼りになる存在です。

世界初の絵本美術館「ちひろ美術館・東京」

閑静な住宅街の中を駅から7分ほど歩いてたどり着いたのは、鮮やかな緑の木々に覆われた「ちひろ美術館・東京」。心をほっこり温めてくれる作品の数々を描いた絵本作家・いわさきちひろさんの自宅兼アトリエを利用して作られた、世界初の絵本美術館です。 入館料は、18歳以下・高校生以下は無料。作品の中心が床から135センチの高さに保たれ、子どもでも見やすくなっている展示や絵本カフェ、国内外の絵本が約2000冊そろう図書室など、小さな子どもでも楽しめる施設は、ちひろさんの子どもへの愛であふれています。この日も、小さなお子さんを連れた家族がたくさん来場していました。

【結論】魅力的な個人商店と程よい活気に癒される街

「上井草駅」の駅前は、コンビニや夜遅くまで営業しているスーパーがあるなど、利便性が高いながらも、街の至る所に緑が目立ちます。閑静な住宅街が広がり、休日でも落ち着いたゆったりとした雰囲気に包まれています。

チェーン店が少ない代わりに個性が光る個人商店が多く、地元住民に愛されている様子。休日は、スポーツ観戦の声を遠くで耳にしながら、程よい活気に癒されそうです。

この記事の筆者：福島 ゆき プロフィール
アニメや漫画のレビュー、エンタメトピックスなどを中心に、オールジャンルで執筆中のライター。時々、店舗取材などのリポート記事も担当。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は5年。