アメリカでは「共働き」でないとやっていけない
今回インタビューに応じてくれたのは、アメリカ・ハワイ州出身のBさん(仮名)。2014年に日本へ移住し、英会話教室で働き始め、その後日本人女性と結婚。現在は3人の子どもに恵まれ、子育てや仕事で忙しい毎日を過ごしているのだと言います。日本とアメリカにおける結婚観の違いについて聞いてみると、このように話してくれました。
「アメリカでは、夫婦共働きが当たり前です。物価や家賃が高いので、共働きをしないと生活していくことができないからです。それに比較すれば、日本では結婚したら妻は家に入るもの、というイメージがまだ根付いているのかなと。実際に3人の子どもを育てていると、夫か妻、どちらかは絶対に家にいた方がいいなと感じます」
ちなみに子育て中、子どもには日本語と英語のどちらで話しているのでしょうか。
「日本語と英語、両言語を話していますが、私が育児休暇中の期間は、どうしても英語の方が多くなってしまいますね」
日本の少子化対策で「これを考えた人は天才だと思いました」
さらに、日本とアメリカの出生率に関しても考えを話してくれました。「日本もアメリカも、出生率は年々下がっていますが、特に日本の出生率低下は顕著ですよね。少子化対策に関して、2025年度から始まる『大学無償化制度』を初めて聞いた時、これを考えた人は天才だと思いました。すでに子どもが2人いる人は、もう1人作ろうという気になるだろうなと」
大学無償化制度とは、2025年度から始まる新しい少子化対策の1つ。正確には「高等教育の修学支援新制度」といい、制度自体は2020年度から施行されているものの、現行制度から所得制限が撤廃され、多子世帯を支援する内容にアップデートされることから話題を集めています。
3人以上の子どもを扶養している世帯が対象となり、入学金や授業料が学部に関係なく無償化されるため、現在3人の子どもを育てるBさんにとっては、まさに“自分事”として受け止められるトピックだったようです。
ただしこの制度では、第1子が大学などを卒業し扶養から外れると、第2子、第3子は支援対象外になるなど、注意すべきポイントもあります。手続き方法などの詳細については、政府の続報を確認しましょう。