今回は、世界で最初にスキャンされた商品は何か、なぜ本にはバーコードが2つあるのかなど、バーコードの豆知識をご紹介します。
世界で初めてバーコードがスキャンされた商品は?
バーコードを発明したのは、アメリカの大学院生だったバーナード・シルバーとノーマン・ジョセフ・ウッドランド。地元スーパーマーケットの社長の「お客さんの買った商品をレジで自動的に確認できるシステムはないか」という悩みを聞きつけて開発を開始。
モールス信号をヒントに「ブルズアイ」と呼ばれる同心円状のバーコードの原型を発明して、1952年10月7日に特許を取得しました。
実用化はされなかったものの、その約20年後にIBMが帯状に改良した「バーコード」を開発し、1974年に実用第1号機が導入されました。
導入されたのはオハイオ州トロイのスーパーマーケットで、最初にスキャンされたのは「ジューシーフルーツ味のチューインガム10個パック」でした。
現在、このガムは購入時のレシートと共にスミソニアン博物館で展示されています。
なぜ本にはバーコードが2つあるのか?
日本の書店に並んでいるほとんどの本には、2段組のバーコードが印刷されています。なぜ他の商品のバーコードは1つなのに、本だけ2つなのか? その理由は、本には世界共通の識別番号が存在しているからです。
2段組のバーコードは「日本図書コード」と呼ばれる情報がバーコード化されていて、バーコードそのものは「書籍JANコード」と名付けられています。
1段目は「ISBN」と呼ばれる世界共通で本を識別するための13桁の国際標準図書番号。2022年時点で200もの国と地域で発行される書籍に表示されています。
2段目は、Cコードと呼ばれる日本国内で使われている4桁の図書分類コードと、本の価格を示すコードが表示されています。
QRコードのヒントは「休憩中の遊び」だった
今や決済に使われるほど身近になったQRコードも、「2次元コード」に分類されるバーコードの一種です。QRコードを発明したのは、愛知県に本社を置くデンソーの技術者である原昌宏さん。
当時の製造現場で自動車部品を8個以上のバーコードで管理していたために、作業効率が悪くて疲れるという作業員の不満を聞いたことをきっかけに開発。
昼休みに囲碁で遊んでいる際に、囲碁のマトリクス状に白黒を配置すると情報を入れやすいことに気付き、デザインに取り入れたそうです。
2年の開発期間を経て、1994年にQR(クイック・レスポンス)の名前通り高速で読み取り可能、最大約7000文字の情報量、そして全体の30%が破損しても正確に読み取れる耐久性を持った「QRコード」が完成。
積極的な利用を促すために特許ライセンス料を取らず、また読み取り機能のあるカメラ付き携帯の普及もあり、QRコードは世界中に広まっていきました。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル「コントするイシカワくん」シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。