「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
SNSで話題になっていた「エアコン風よけカバー」が気になっています。ですが、カビの原因になるという話も聞きました。実際のところ取り付けても大丈夫なのでしょうか?
(回答)
うまく設置すれば風よけになるのは確かですが、誤って設置するとエアコンがうまく動作しない場合や、最悪故障を招く場合もあります。
効果はありますが、センサーが誤動作する危険性があります
風よけカバーとはエアコンに両面テープで取り付ける、もしくは吊り下げる形で設置することでエアコンからの風が前面に吹き出さないようにする製品です。エアコンの風が前面ではなく上方や下方に吹き出すようになるため、「エアコンの風が直接体に当たるのを防ぎ、冷えすぎや乾燥を防げる」というメリットがあります。しかし、風よけカバーには以下のようなデメリットが生じる可能性があるため、使い方には十分に注意してください。
空気の流れを妨げて冷房効率が低下する
風よけカバーによって空気の流れが阻害され、冷房効率が低下する場合があります。室内の空気をうまく循環できなくなることで、室内の温度ムラが発生する場合もあります。カビや結露が発生する
空気の流れが悪くなると、湿気がこもりやすくなり、カビが発生しやすくなります。また、エアコンからの冷気が当たることで、風よけカバーに結露が発生する場合もあります。エアコンの温度・湿度センサーが誤動作する
風よけカバーで風の方向が変わってエアコンの内部にある温度・湿度センサーに直接冷気が当たると、室内の温度や湿度を正しく検知できなくなる場合があります。それによってなかなか冷えない、もしくは冷えすぎてしまう可能性があります。安全に風よけカバーを使用するためのポイント
風よけカバーは一定の効果がありますが、上記のようにトラブルが発生する場合があるため、使用する場合は以下のポイントに注意してください。通気性の良いカバーを選ぶ
空気の流れを妨げすぎない、メッシュ素材などの通気性の良いカバーを選ぶようにしましょう。跳ね返った風がエアコンに直接当たらないようにする
エアコンの温度・湿度センサーの誤動作を防ぐため、風よけカバーで跳ね返った風がエアコン本体に直接当たらないように設置しましょう。定期的に掃除をする
カバーにホコリがたまると、空気の流れを妨げたり、カビの原因になったりします。ホコリや結露が生じたらそのままにしないように掃除しましょう。サーキュレーターを併用する
風よけカバーを使用することで、エアコンの風だけでは部屋の空気をうまく循環できない可能性があります。部屋の温度ムラを防ぐためにサーキュレーターを併用することをおすすめします。風よけ機能を搭載するエアコンも
センサーで室内にいる人の温冷感を検知して自動的に「風あて」や「風よけ」を行う三菱電機の「A.I.自動」運転や、天井に向けて風を送ることで体に当たらないようにするダイキン工業の「風ないス」運転のように、人に直接風が当たらないようにする機能を搭載するエアコンもあります。エアコンの買い替えを検討している場合は、こうした機能を搭載しているかどうかもチェックしましょう。手動もしくはリモコンで風向を左右に調節できるエアコンの場合、人がいる場所に風が向かわないように風向を調節するといいでしょう。
All About ガイドがすすめるエアコン:三菱電機「霧ヶ峰 MSZ-ZXV4024S」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。