監督兼主演俳優が2作続けて大ヒット作を届けた
この『YOLO 百元の恋』は中国での最終興行収入が約35億元(=約730億円)を超え、アメリカを含む世界累計興行収入が740億円を突破する超大ヒットを遂げ、中国でリメイクされた日本映画の最高興行収入記録を大幅に更新しています。本作で主演および監督を務めたジャー・リンは、Weibo(中国最大のSNS)のフォロワー数が1760万人を超える、中国を代表するコメディアンの1人。初めて監督と脚本と主演を務めた映画『こんにちは、私のお母さん』も、中国国内で歴代2位の興行収入を記録し、全世界興行収入が約900億円にもなるという、社会現象的な盛り上がりを見せていたのです。
「同じ人は見えない」ほどの大変身
その数字だけでもすごいのですが、今回の『YOLO 百元の恋』ではジャー・リンが文字通りに「身を削る」挑戦をしていることを特筆しなければならないでしょう。公式のポスターには「太っていた頃」と「ボクシングに挑み減量した姿」それぞれの主人公の姿があるので、「なるほど2人の俳優がそれぞれ演じているんだな」と思う人もいるのではないでしょうか。 しかしながら、実際に主人公を演じたジャー・リンは「元々80キロほどあった自身の体重からさらに約20キロ増量。100キロを超えた状態で撮影を開始し、撮影と並行して取り組んだ厳しいボクシングトレーニングを経て、最終的に50キロ以上もの減量に成功」という、こちらもまた数字だけ見てもとんでもない、大変身をしているのです。 しかも、そのジャー・リンは1年以上もメディアから姿を消し、本国では映画公開直前まで減量後のジャー・リンの姿が伏せられていたため、大きな話題を呼んだのだとか。 見た目だけだと「本当に同じ人なの?」と疑ってしまうほどの大変身ですが、実際に本編を見ると「本当に同じ人だった!」とはっきりと分かるシーンがあります。フィクションの物語を紡ぐ劇映画であると同時に、俳優の挑戦がそのまま主人公の奮闘にも重なるという、ドキュメンタリー的な側面も持ち合わせている作品なのです。