エアコン冷房は「設定温度を下げる」「風量を上げる」どちらが節電になりますか?【家電のプロが回答】

エアコンの冷房を使用する際、「設定温度を下げる」「風量を上げる」のどちらの方が電気代が安く済むのでしょうか。「All About」ガイドで、白物家電やデジタルガジェットに詳しく、企業のPR戦略やPR支援も行うコヤマタカヒロが回答します。

「設定温度を下げる」「風量を上げる」電気代が安いのは?
「設定温度を下げる」「風量を上げる」電気代が安いのは?
夏場にエアコンを使う際、できる限り電気代を安く抑えたいというのは誰もが思うところですよね。その際に使い方を迷う人が多いポイントが、「設定温度を下げる」「風量を上げる」のどちらにすべきかという点です。

「All About」ガイドで、白物家電やデジタルガジェットに詳しく、企業のPR戦略やPR支援も行うコヤマタカヒロが回答します。
 

(今回の質問)
エアコン冷房は、「設定温度を下げる」「風量を上げる」のどちらの方が電気代が安いですか?

(回答)
設定温度を下げるのではなく、風量を上げる方が節電になります。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

風量を上げたほうが節電になります

ダイキン「エアコンの効果的な節電術で削減できる電気代を4つのケースで調査」の中に、最も熱い真夏の日中(13時~15時)に、エアコンの設定温度を1度下げるのと、風量設定を「強」にするので、消費電力量・電気代の違いを測定したテストの結果があります。

あくまで限定的な条件での調査結果ですが、そのテスト結果によると、設定温度を1度下げた場合、消費電力量は1.13kWhで電気代は約35円(31円/kWhにて算出)。それに対して風量を「強」にした場合は0.52kWhで約16円と風量調節の方が電気代は半額以下に抑えられることが分かりました。

エアコンを使っている環境で暑いと感じたら、温度を下げるのではなく、まずは風量設定を「自動」から「強」に変えてみましょう。冷たい風を部屋中に広げ、また肌で冷風を当てることで、涼しさを感じることができます。

風向きは水平、普段の風量は「自動」がおすすめ

また、ダイキンによれば、冷房の風向は水平にする方が節電になるとのこと。ただし、風向はななめ下にした方が、人がいる場所に直接冷風を送れるため涼しさが感じられます。シーンによってうまく使い分けましょう。

さらに、普段のエアコンの風量設定は「弱」ではなく、「自動」の方が節電になります。これは弱だと室温が上がってしまってよりパワフルに可動する必要があるため。風量「弱」と「自動」では、1カ月の電気代は約990円差があったそうです。

基本は冷房の風量自動で運転し、暑さを感じたら一時的に風量を「強」にするのが良さそうです。
 
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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