今回は、最も多く元号に使われている漢字は何かなど、元号の豆知識をご紹介します。
元号を使っているのは日本だけ
元号は、和暦や年号とも呼ばれる、特定の年代に付けられる称号。発祥は2000年以上前の中国で、国の平和を願ったり、時の皇帝が自分の力を示したりするために使われ始めました。
最初の元号は紀元前140年、前漢の武帝が即位した際に宣言した「建元(けんげん)」。
その文化が日本や韓国、ベトナムなど近隣の東アジア諸国に伝わりました。
ただ、王朝の滅亡や社会主義国になるなどをきっかけに使われなくなり、現在でも元号を使っている国は、実は世界でも日本だけ。
平成から新しく元号が変わる際の「令和フィーバー」は、他の国の人たちからは不思議に見えたかもしれませんね。
日本で最初の元号は何だった?
日本初の元号は、645年の「大化の改新」によって制定されました。大陸に対抗できる強い国づくりのため、朝廷において横暴を尽くしていた蘇我氏を中臣鎌足らが倒して、日本が天皇を中心とする中央集権国家へと舵を切った事件として知られています。
事件後、日本初の譲位によって誕生した孝徳天皇は、日本独自の元号を初めて制定しました。
それまで中国王朝の元号を使っていた中で、独自の元号を持つことは中国王朝の支配下から抜け出すという意志によるもので、制定された元号は「大化」。
まさに大きく変化していく日本を象徴するような元号でした。
最も多く元号に使われている漢字は?
明治に「一世一元の制」で、天皇の即位に伴うものとなるまで、珍しい白キジが天皇に献上されたら「白雉」、体を癒やす泉が見つかったら「養老」と、さまざまな理由で頻繁に改元されてきました。645年の大化から2019年の令和までに使われた元号は248。平均して5年半に1度、改元されてきたことになります。
その248の元号に、最も多く使われた漢字は何か?
正解は「永」で29回。良い時代が永く続くようにという願いが込められています。
ちなみに、最新の元号である令和の「和」は20回と頻出ですが、「令」は初めて採用されました。
5年がたち、すっかり日常のものになった新元号「令和」。この機会に、改元当時のことを振り返ってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。