「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が「髪を早く乾かしたい場合のドライヤーの選び方」を解説します。
(今回の質問)
髪を速乾させたいです。ドライヤーは風量が大きいものを選べばよいですか?
(回答)
風量が大きいものは速乾性が期待できますが、最近は風量の数字だけで速乾性が判断できなくなっています。風量以外の速乾機能にも注目しましょう。
「大風量=速乾」とは限らない?
「ドライヤーの風量が弱くて全然乾かない」といった不満を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。基本的に髪は熱と風で乾かしますから、風量が弱いとその分時間がかかってしまいます。そこで10数年前から注目されるようになったのが「大風量」をうたうドライヤーです。風量は「1.2立方メートル/分」のように表記されますが、当時はこれでも大風量とされていました。その後、風を生み出すモーターがパワーアップし、2.0立方メートル/分以上をうたうものが出てくるように。ただし大風量=速乾できるとは言い切れない部分もあります。吹き出し口から出てくる風が髪に届く前に広がってしまうと、髪が乾きにくいだけでなく、髪が乱れて絡まりやすくなってしまうのです。その点、圧倒的な大風量の代名詞的存在であるダイソンは、2.4立方メートル/分の大風量とともに、髪に真っすぐ届く直進性の高い風で、速乾できると人気になっています。
しかし単純に風量だけを増やそうとすると、高性能なモーターを搭載する必要があり、本体が重くなるデメリットもあります。そのため各社は、速乾性とコンパクト化を両立するために、さまざまな工夫をしています。最近増えているのが、コンパクトかつ高効率なブラシレスDCモーターを搭載し、狭い吹き出し口から風圧の高い風を吹き出すことで、速乾性を目指しているタイプ。直進性の高く勢いのある風が髪の根元まで無駄なく届くため、速乾をかなえるとしています。
風量はあくまで1つの基準。ほかの速乾機能にも注目しましょう
そもそも風量は、吹き出し口の面積と風速から算出されるもので、その計算方法は日本電機工業会で制定されています。ただし、この基準に沿って測定および表示する義務はなく、近年は吹き出し口が狭くても風速が非常に強いタイプも出てきました。そのため、近年は独自の計算方法で算出するメーカーも増え、「3.6立方メートル/分」「7.4立方メートル/分」など、従来の平均からかけ離れた風量を表示する製品も出てきていますので、あくまで速乾性の1つの基準と考え、そのほかの速乾機能にも着目しましょう。
例えば「遠赤外線」が搭載されていると、髪の表面だけでなく髪を内側から温めて乾かせるので、速乾できる場合が多くあります。また髪を揺らす風を吹き出すことで、効率的に乾かすタイプもあります。こうした速乾機能が搭載されたものは、価格が高額になる場合が多いですが、速乾性は時短になるだけでなく、低温タイプなら髪を長時間熱にさらすリスクから守れますので、選ぶ価値はあるのではと思います。
All About ガイドがすすめるドライヤー:MTG ReFa「BEAUTECH DRYER SMART W 」
この記事の筆者:田中 真紀子
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。