芸能界では15歳差、17歳差も……「年の差」婚活の現実は?
記憶に新しいところで15歳差の堂本剛さん(45歳)と百田夏菜子さん(29歳)、18歳差のハライチ・岩井勇気さん(37歳)と奥森皐月さん(20歳)の年の差婚も発表されていましたので、男性が10~20歳年上の年の差婚は少なくないように思えるかもしれません。しかし芸能界とは違い、一般社会では男性が“大幅に年上”の年の差婚は減少傾向です。かつて男性は、高収入であれば10歳以上年の差がある若い妻とマッチングできたとも言えます。女性側も、専業主婦希望でお相手に収入や財産を求める場合、資産家男性であれば10~20歳の年齢差や結婚歴などの条件を許容することが多かったのですが、女性の社会進出に伴い年上男性を選ぶメリットが少なくなっているのです。
夫の定年がポイントに……? データに見る「年の差婚」の厳しさ
また、同年次推移によれば「夫が年上」夫婦は、1995年には全体の64.6%を占めていましたが、2005年には57.5%、2015年には55.0%、2022年には53.4%にまで減少しています。
同様に「夫婦同年齢」は、1995年には全体の17.6%、2005年には19.1%、2015年には21.0%、2022年には22.3%まで増加し、筆者の体感同様に、より同世代婚が増え、男性が大幅に年上の「年の差結婚」は減少傾向です。むしろ女性が2歳程度年上のケースは増加傾向にあります。これは女性に収入を含めた頼りがいを求める男性の増加によるものです。
なぜ、男性が年上の年の差婚が難しくなり、減少傾向にあるのでしょうか。いくつかの理由が挙げられます。
年の差婚で「家事・育児」に意識差広がる
まず夫婦間に年の差があると、特に、家事・育児参加に関する意識に違いが出やすい点があります。内閣府の少子化に関する調査でも、「家事・育児は、妻が9~10割を担う」と答える人は、年代が上がるにつれて多くなる傾向があります。女性が年下で、家事・育児を夫婦間で平等に分担したいと思っても、年上男性がそう考えなければ、夫婦関係がうまくいかなくなります。
年の差夫が定年した後の家計に不安
もう1つは企業勤めの場合、夫の定年問題があります。芸能界のように定年がない職業で人気のある人は収入もけた違いなので一般社会とは異なります。
例えば男性45歳時に子どもが産まれた場合、子どもが大学を卒業する頃には67歳。定年を65歳と考えると、夫の定年後、妻1人で家計を担うことになりますから、家計や老後資金は大丈夫かと心配になるのも頷けます。
また男手が必要な子育て期間に、夫の老いという現実を突き付けられることもあるでしょう。