【ビジネスメール】締めの言葉一覧! 選ぶコツや大切な理由を解説

ビジネスメールで欠かせない締めの言葉。相手に不快な思いをさせないためにも、適切な使い方を理解しておくことが大切です。本記事では、現役フリーアナウンサーの新保友映が締めの言葉を添える理由や正しい選び方について解説します。

【ビジネスメール】締めの言葉一覧! 選ぶコツや大切な理由を解説
【ビジネスメール】締めの言葉一覧! 選ぶコツや大切な理由を解説

ビジネスメールを送る際、最初に挨拶文を入れるのが一般的ですが、それと同じくらい大切なのが締めの言葉です。こちらの伝えたいことだけを並べてメールを送り、相手に不快な思いをさせてしまうケースは少なくありません。そうした失敗を避けるためにも、締めの言葉の使い方を理解しておくことが重要です。本記事では、ビジネスメールで締めの言葉が大切な理由や正しい選び方について、現役フリーアナウンサーの新保友映が解説します。

<目次>
ビジネスメールにおいて締めの言葉が大切な理由
終わりの言葉を選ぶコツ
就職活動のメールで使える締めのフレーズ
ビジネスメールにおける締めの言葉
英語のメールにおける締めの言葉
まとめ

ビジネスメールにおいて締めの言葉が大切な理由

そもそも、なぜビジネスメールにおいて締めの言葉が大切だといわれているのでしょうか。まずは、その理由について知っておきましょう。

冷たい印象を与えないようにするため

ビジネスメールに締めの言葉を添える理由の1つは、相手に冷たい印象を与えないようにするためです。メールでは声や表情が分からないため、相手はこちらの印象を言葉づかいや文章から判断します。日常会話に置き換えると分かるように、笑顔がなく必要最低限の会話しかしない人は、周りから冷たい印象を受けます。

それと同じように、ビジネスメールにおいても、こちらの要件や必要な情報だけを伝えて終わり、というメールは相手に冷たい印象を与えてしまうのです。メールもコミュニケーションの1つと考え、最後に相手を気遣う一言を添えることが円滑にやりとりを行うポイントです。

気遣いを見せることで相手との関係性を深めるため

メールの最後に相手への気遣いを一言加えることで双方の関係性がより深まるというのも、締めの言葉を添える理由の1つです。例えば、互いに知っているエピソードがあれば、それに合わせた内容を添えることで「相手がよく理解してくれている」といった印象を与えることができます。相手の記憶にも残りやすく、確実に返信がほしい場合の手法としても有効です。

丁寧な印象を与えて信頼感を得るため

ビジネスメールに締めの言葉を添えることで、より丁寧な印象を相手に与え、信頼できる人だと感じてもらいやすくなります。このとき、取って付けたような言い回しを使うのではなく、メール全体の内容と締めの言葉の雰囲気を合わせることが大切です。メールの最後に相手への敬意や配慮を見せることで信頼性が高まり、「この人はしっかりした人だ」「安心して任せられる」といった印象を持ってもらえるでしょう。

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終わりの言葉を選ぶコツ

ビジネスメールは「何でもいいからとにかく締めの言葉を添えればいい」というものではありません。互いに気持ちのいいやりとりができるよう、終わりの言葉を選ぶコツを知っておくと安心です。

相手の状況や季節に応じた適切な言葉を選ぶ

メールを送る相手によって、最適な締めの言葉が異なります。日頃から親しくしている同僚であれば「引継ぎよろしく!」の一言でメールを終えても問題ありません。しかし、相手が上司や取引先の場合は、どれだけ親しい間柄であっても「何卒よろしくお願い申し上げます」「ご返信いただけますと幸いです」というように、丁寧な言い回しに変えるのが基本です。反対に、同僚や部下にあまり丁寧な表現を使うと、他人行儀な印象を与えたり、内容の使い回しをしていると思われたりすることがあるため、シンプルに済ませた方がいいでしょう。

また、季節によって締めの言葉を使い分けることも、ビジネスマンとして身につけておきたいマナーです。「暑い日が続きますが、くれぐれも体調にはお気をつけください」「今年も、年の瀬が近づいてまいりましたが」など、季節を感じられる文面に仕上げると、いつもとは違った印象のメールとなります。

クッション言葉をうまく取り入れる

相手に何かをお願いしたいときには、クッション言葉をうまく活用すると伝えやすくなります。本来、ビジネスメールは必要なことだけを簡潔に伝えることが前提とされていますが、その点ばかりに気を取られて相手への配慮を忘れると、相手に冷たいと思われたり、不愉快な思いをさせてしまったりすることがあります。相手とよい関係性を維持していくためにも、本題の前に一言添え、柔らかい印象を与えることが大切です。クッション言葉は決して難しい表現を使う必要はなく、「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」といった言い回しで十分です。

例えば「今週中にご返信ください」とするよりも「お忙しいところ申し訳ございませんが、今週中にご返信いただけますと幸いです」とする方が、相手への配慮が伝わる文面となります。

相手が普段使っている言葉に合わせる

ビジネスメールに使う締めの表現に悩んだ場合は、相手が普段使っている言葉に合わせるというのも、終わりの言葉を選ぶコツの1つです。例えば、目上の人から硬い印象のメールが届いた場合、こちらからの返信メールは普段より丁寧な印象になるよう心がけて作成します。

季節の挨拶があれば、こちらも気候や季節の移り変わりが感じられるような終わりの言葉を選ぶと、相手とのコミュニケーションがより円滑になるでしょう。あまりに無理をすると不自然な印象を与えてしまうため、あくまでもビジネスメールとして適したことば選びをすることが大切です。

就職活動のメールで使える締めのフレーズ

就職活動を行う中で、企業とメールでやりとりをすることがあります。こちらでは、そうした際に使える締めのフレーズについて、場面別にご紹介します。

選考に通ったときのフレーズ

選考通過の連絡に対して返信する場合は、締めの言葉として「引き続きよろしくお願いいたします」「今後ともよろしくお願い申し上げます」など、次につながる表現を使うのが適切です。

【例文】
・このたびは、選考通過のご連絡誠にありがとうございました。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
・このたびは、書類選考を通過したとのご連絡をいただき、誠にありがとうございます。面接の機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。つきましては、〇月〇日〇時に伺わせていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

選考の日程を変更するときのフレーズ

どうしても選考の日程が合わず変更をお願いする際は、依頼とあわせて謝罪も表現できるメール内容にすることを心がけましょう。全体的な流れとしては、先に謝罪をしたうえで「お願いします」という締めの言葉につなげるのが理想的です。

【例文】
・大変申し訳ございませんが、ご提示いただいた日程での参加が難しい状況です。こちらの都合で大変恐縮ではありますが、下記の日程に変更していただくことは可能でしょうか。(希望日時提示)お忙しいところお手数をおかけし、誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。
・選考の日程についてご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。次回選考は〇月〇日〇時の予定でしたが、学校の都合によりご提示いただいた日程でお伺いするのが難しくなってしまいました。誠に恐縮ではございますが、再度日程を調整していただくことは可能でしょうか。お忙しいところ大変申し訳ございませんが、ご返信いただけますと幸いです。

選考を辞退するときのフレーズ

選考を辞退するメールを送る場合、まずはお詫びの気持ちを伝えます。メール内容はシンプルにするのが基本ですが、相手が多忙な中で時間を割いてくれたこと、選考の機会をいただけたことに対し誠意を持った対応をするのがマナーです。

【例文】
・〇月〇日〇時より、選考のお約束をいただいております、〇〇と申します。誠に申し訳ございませんが、一身上の都合により次回の選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。せっかく選考の機会を与えていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり大変申し訳ございません。何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
・大変恐縮ながら、貴社の選考を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。お忙しい中で貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり大変申し訳ございません。本来ならば直接お詫びに伺うべきところですが、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

内定を受け入れるときのフレーズ

内定メールに承諾する旨を返信する場合は、内定へのお礼とともに「これからよろしくお願いします」という気持ちを伝えることが大切です。入社前の印象にも関わってくるため、できるだけ丁寧な表現を使いましょう。

【例文】
・このたびは、内定のご連絡、誠にありがとうございます。謹んで貴社からの内定をお受けいたします。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
・このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。内定をお受けいたしますこと、ご返信申し上げます。貴社に1日でも早くなじみ、活躍できるよう精進して参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

ビジネスメールにおける締めの言葉

実際のビジネスシーンにおいては、社内外問わず日常的にメールのやりとりをする機会があるでしょう。そんなときに使える締めの言葉を、シーン別にご紹介します。

日常的なメールにおける締めの言葉

日常的にやりとりするメールの場合は、「よろしくお願いします」といったシンプルな表現で十分です。相手が同僚ならカジュアル、相手が上司なら丁寧な表現と使い分けるといいでしょう。

【例文】
・では、よろしくお願いします。
・引き続き、よろしくお願いします。
・何卒よろしくお願い申し上げます。

相手に物事を依頼・お願いする場合の締めの言葉

相手にお願いすることがある場合、「〜してください、よろしくお願いします」と言い切ってしまうと、相手が命令のように感じて不快な思いをすることがあります。相手に快く引き受けてもらえるよう、できるだけ柔らかい印象を与えられるよう表現することが大切です。

【例文】
・ご返信いただけますと幸いです。
・お忙しいところ大変申し訳ございませんが、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
・お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

感謝を述べるときの締めの言葉

締めの言葉は、相手に感謝を伝えるときにも有効です。ただし、1つのメールの中で何度も伝えると逆にわざとらしいと思われてしまうこともあるため、シンプルに分かりやすく表現しましょう。

【例文】
・このたびは、本当にありがとうございました。
・心より、感謝申し上げます。
・本来であれば直接お伝えすべきところですが、まずはメールにてお礼申し上げます。

謝罪をするときの締めの言葉

謝罪が目的でメールを送る場合は冒頭で伝えるのが原則ですが、締めの言葉として再度言葉を添えると、謝罪の気持ちがより伝わりやすくなります。ビジネスシーンでは、ちょっとしたミスから大きな失敗までさまざまな謝罪の機会が生じるため、程度に合わせて言葉を選ぶといいでしょう。

【例文】
・このたびは、大変申し訳ございませんでした。
・多大なるご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
・このたびは、大変失礼いたしました。幾重にもお詫び申し上げます。

お断りをする場合の締めの言葉

先方からの依頼を断る場合は、一方的に「無理」と断るのではなく、謝罪とあわせて伝える方が好印象です。その後「今後も」とつなげると、相手はより次回の連絡をしやすくなるでしょう。

【例文】
・ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
・このたびはご期待に沿えず、大変申し訳ありません。ご了承くださいますようお願いいたします。
・このたびは大変申し訳ございませんでした。またの機会がありましたら、よろしくお願い申し上げます。

相手の健闘や繁栄を祈る場合の締めの言葉

ビジネスシーンでは、メールの文末に相手への配慮の言葉を添えることが多くあります。とくに目上の人や取引先の相手に送る場合は、健闘や繁栄を祈る言葉を添えると丁寧な印象を与えることができます。

【例文】
・末筆ながら、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
・貴社の末永いご繁栄と一層のご躍進をお祈り申し上げます。
・幸多く、末永いご繁栄をお祈り申し上げます。

緊急性が高い場合の締めの言葉

緊急性が高い場合は電話連絡が基本ですが、相手がつかまらずメールを送るケースもあります。急ぎの仕事や確認を依頼する場合は、以下のような伝え方をするのがおすすめです。

【例文】
・ご多忙のところ無理なお願いをいたしまして、大変申し訳ございません。
・大変申し訳ございませんが、一両日中にご確認いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
・誠に厚かましいお願いではございますが、ご了承いただきたくお願い申し上げます。

長文メールになってしまった場合の締めの言葉

メールが長文になってしまったときは、長文になったことに対しお詫びの言葉を添えるのがマナーです。ビジネスメールは簡潔に済ますのが基本ですが、お詫びの言葉があれば相手も快く理解してくれるでしょう。

【例文】
・長文失礼いたしました。
・長文となり、申し訳ございません。
・文面が長くなってしまいましたが、今回のプロジェクトについて報告させていただきました。

英語のメールにおける締めの言葉

日本語のビジネスメールに締めの言葉があるように、英語のビジネスメールでも締めの言葉を添えるのが一般的です。英語でメールのやりとりをする機会がある人は、以下にご紹介する締めの言葉の意味と使い方についても理解しておきましょう。

Sincerely

目上の人や取引先の相手、顧客など、フォーマルな形式が求められる場合に最もよく使われる表現です。「Sincerely」には「心から」「重ね重ね」といった意味があり、メールの最後に添えることで「真心を込めて」という気持ちが伝わります。さらに丁寧な表現にしたい場合は「Sincerely yours ,(氏名)」とすると、日本語の「敬具」のような使い方もできます。氏名の部分は、必ずフルネームで書くことを覚えておきましょう。

Best wishes

「あなたの幸運をお祈りします」という意味を込めて使う表現です。カジュアルな表現となるため、職場の同僚やビジネスであっても気を遣わず話せる相手に対して使います。

Many thanks

日本語の「いろいろとありがとうございます」にあたる締めの言葉で、強い感謝の気持ちを伝えたいときに使います。「Thank you」よりも丁寧な表現ですが、目上の人に送るにはカジュアルな印象となるため避けた方がいいでしょう。同じように使われる言葉として「Thanks a lot」があります。

Regards

「Sincerely」と同じように、フォーマルなメールの締めの言葉として使われる代表的な言い回しです。本来「心遣い」という意味を持ち、締めの言葉として使うことで「敬意を込めて」という思いを伝えることができます。「Best regards(最上級の敬意を込めて)」「Kind regards(思いやりと敬意を込めて)」とアレンジした表現もよく用いられています。

See you

話し言葉としてもよく使われる表現で「またね」という意味があります。カジュアルな言い回しとなるため、同僚や気を遣わない相手に対して使いましょう。同じような意味で「See you later」と書いたり、「Later」と略したりすることもあります。

Take care

「See you」と同じように別れ際のあいさつとして用いられている表現で、メールの締めの言葉としても使えます。「Take care of yourself.」を簡略化したもので、「体に気を付けて」「元気でね」といった意味を持つことから、日本語の「さようなら」の代わりとしてカジュアルに使われます。

Best

「Best wishes」や「Best Regards」の「wishes/Regards」を省略した表現です。簡略化されているとはいえ、本来は丁寧な意味を持つ言い回しのため、友人などに送るメールだけでなく、ビジネスメールに用いたとしても問題ありません。ただし、顔を合わせたことのない相手や、明らかに立場が違う相手に対しては、「Best」の後に適切な言葉を付け足した方が安心です。

まとめ

ビジネスメールにおける締めの言葉の重要性、正しい選び方などについて解説しました。ビジネスメールでは、適切な締めの言葉を添えることで相手への気遣いが伝わり、信頼度を高めることにつながります。相手の状況や季節に合わせて、そのときに最適なことば選びをしましょう。

また、何かを依頼する際、こちらの要望を一方的に伝えるだけでは、相手に不快な思いをさせてしまう可能性があります。「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」といったクッション言葉をうまく取り入れ、相手への配慮を表現することが大切です。メールは相手の声や顔が分からないやりとりとなるため、円滑なコミュニケーションをするには相手への気遣いが不可欠です。ビジネスで成功するためにも、締めの言葉の基本を理解しシーンに合わせて使い分けられるようにしておきましょう。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。『オールナイトニッポンGOLD』のパーソナリティをはじめ、『ニッポン放送ショウアップナイター』やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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