無印良品店舗に務めていた、元社員が解説します。
(今回の質問)
無印の靴下はなぜ直角? 脱げにくいって本当ですか?
(回答)
無印良品の直角靴下は、東欧・チェコのおばあちゃんが編んだ「手編み」の靴下がヒントになっています。直角にすることでかかと部分がすっぽりと収まって余ることなく、ずれ落ちにくくなるのです。
一般的な「くの字」靴下を「L字」にする挑戦
2006年、たった数アイテムでスタートした「足なり直角靴下」は、チェコのおばあちゃんの知恵から生まれました。雪国である東欧・チェコの冬はまさに極寒。足元の防寒として脱げにくく履き心地のよい「直角」の靴下は、1人のおばあちゃんが独自に考えた編み方でした。
この手編みの靴下を機械編みで再現しようと試みたのが、無印良品の靴下なのです。
靴下メーカーの方と会議を重ね、試し履きをし、試行錯誤の日々だったとのこと。なんと、編み方を考案したチェコのおばあちゃんの娘さんにも来日してもらい、手編みを実演してもらったこともあるのだとか!
ある種、大量生産できる「機械編み」を、複雑かつ“手”だからこなせた「手編み」の方法に寄せる逆行したものづくり。
しかし、時を超えて愛される名品は、こうした逆転の発想から生まれているのです。
スニーカーイン、フットカバーも「直角」
そうして生まれた「直角靴下」は、長さのある靴下だけではありません。夏にぴったりな、足首の見えるスニーカーインやフットカバーなども「直角」なのです。
「L字」でいう縦棒の部分の面積が少ない分、素材や生地の厚みに応じた糸が選ばれ、網目の作り方が調整されているこだわりぶり。かかとによりフィットする仕様となっています。
実は、私は無印良品のスニーカーインが大のお気に入り。お店で働いていたときから愛用していますが、立ち仕事中もとにかく脱げにくいのがありがたい……! 正直、スニーカーインは「靴の中でグシャッとしてしまうもの」という認識だったのですが、見事に覆されました。
【地域限定】近畿地方限定の「靴下」があります!
実は、無印良品には地域限定の靴下というものが存在します。
靴下の名産地・奈良県でつくられた靴下が、近畿地方限定で発売中です。
「琵琶湖」「難波ねぎ」など、地域の景色や名産品をイメージした配色も魅力の1つ。ちなみに筆者のお気に入りは「お薄」という抹茶色です。
無印良品で人気かつ定番の足なり直角靴下。ぜひ店頭で、チェックしてみてくださいね。
この記事の筆者:花輪えみ プロフィール
千葉県出身。都内の無印良品3店舗で勤務経験があり、うち1店舗では副店長を務める。勤務時は食品や生活雑貨を担当。良品計画退職後はライター/編集者として活動し、記名ライター歴8年目を迎える。女性向けサイト編集、兼業ライターを経て現在フリー。趣味は散歩。