「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
ブラウン管テレビのように、薄型テレビも叩くことで調子が良くなりますか?
(回答)
接触の悪い配線などが叩くことで一時的に性能が戻る可能性はあります。しかし、現在の薄型テレビは叩いて直るというようなものではありませんし、根本的な解決にもならないので絶対にやめてください。
最近の薄型テレビは叩いて直るようなものではない
筆者も確かに子どもの頃は具合の悪くなったブラウン管テレビを叩いて元の状態に戻すということを何度もやった記憶があります。しかし、最近の薄型テレビは当時のブラウン管テレビに比べてはるかに精密部品の集積度が高く、叩いて直るというようなものではありません。家電製品の故障は、一般的にモーターなどの機械的な故障や不具合、コンデンサーなどの電子部品の故障、金属端子などの接触不良といったものが理由として考えられます。仮に電子部品が故障した場合、交換するしかありません。一方、ホコリがたまって機械的な部品が動きにくくなっているなどの不具合であれば、叩くことで直る可能性があります。
これに該当するのが、リモコンを新品の乾電池に交換したのに、操作ができなくなってしまったとき。乾電池の液漏れなどで故障したのであれば交換するしかありませんが、接点の接触不良であれば乾電池を回転させたり叩いたりすることで直ることもあります。しかし、テレビには機械的な部品がほとんどありませんので、このようなことはあまり考えられません。
故障時はメーカーに依頼してしっかりと修理を
ですが、部分的に調子が良くなる可能性もゼロではありません。例えば、主電源スイッチを視聴するたびにオン・オフするなど、想定以上に酷使すると、その部分の接触が悪くなるといったことは考えられます。不具合が生じている場所が特定できるのであれば、そのあたりを軽く叩くことで一時的に直る可能性はあります。しかし、あくまでも一時的に直るだけなので、根本的な解決にはなりません。メーカーに依頼するなどしてしっかりと修理してください。不具合が生じている場所が全く想定もできないのであれば、むやみやたらにテレビを叩いてもどうにもなりません。ただちに修理を依頼、もしくは買い替えをおすすめします。
All About ガイドがすすめるテレビ:ソニー「XRJ-55X90L」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。