海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン 第25回

日本人には日常すぎて衝撃! 外国人が「最高に素晴らしい!」と称賛する日本のいいところ厳選3

日本人にとってはありふれた「当たり前」でも、海外からは「日本らしくて最高に素晴らしい!」と評価されるモノやコトがあります。

このところ明るい話題が少ない日本ですが、海外から見たら「日本らしくて最高に素晴らしい!」モノ・コトはたくさんあります。それは意外と、日本人にとってはありふれた日常の1つに過ぎないことも少なくないようです。

他国にはない! ヘルシーと芸術性が共存する「和菓子」

季節の移ろいを繊細な職人技で表現した「上生菓子」は、和スイーツの代表格
四季折々の風物詩を、絶妙な色合いと質感で表現できるのが上生菓子のすばらしさ
「ヨーロッパに移住すると太る」とはよく言われることですが、これは周囲の人間のビッグサイズな外見につられて自身が油断してしまうことに加え、高カロリーなスイーツにも一因がありそうです。

というのも、ヨーロッパのお菓子類はケーキ、クッキー、ワッフル、チョコレートにアイスクリームなど乳脂肪や油をたっぷりと使用したものが大半で、逆に言うとこれらを含まないものを探す方が難しいほどなのです。

それに比べ、日本では饅頭をはじめ、ところてんやわらび餅、羊羹、団子など、油分の含まれているものは少なく、カロリーを抑えつつ味わいや食感を存分に楽しめるものが豊富に見受けられます。

こと上生菓子に関しては、季節の風物を美しい色彩とフォルムで見事に表現するさまが、まさに洗練の極致。ヨーロッパでも旬の素材を意匠に取り入れたかわいらしいスイーツはあれど、和菓子ほど繊細で雅趣に富んだものは類を見ません。

ハプスブルク帝室御用達菓子店として知られるウィーンの「デメル」でパティシエをしていた友人に和菓子類の写真を見せたところ、あまりの風流さに「その写真を送って!」と何度も懇願されたことがあります。

ヨーロッパ菓子界隈の第一人者をもとりこにする和菓子は、大変魅力が深いのだと言えるでしょう。

痒いところに手が届く「便利グッズ」

海外では珍しい、でも日本人にとっては当たり前のアイテムといったら使い捨てカイロ
海外では珍しい、でも日本人にとっては当たり前のアイテムといったら「貼るカイロ」もその1つ
日本はちょっとした工夫で、日常生活を便利にする小物類であふれかえっています。

日本国内で長らく市民権を得ていてもいまだヨーロッパで珍しいものといえば、貼るカイロや携帯扇風機などですが、この他にも翻訳機能付きフェイスマスク、携帯用音姫、エアコン内蔵の衣類など、単純に便利なものから抱腹絶倒の奇抜なアイデア商品まで、その独特の発想は外国人の度肝を抜くようです。

とりわけ100円ショップは「安くて使える」便利グッズの宝庫で、筆者が欧州系エアラインに勤めていた頃には、日本にフライトをするたびに外国人クルーたちが目の色を変えて駆け込み、山のように商品を買いあさっていたのが忘れられません。
ヨーロッパでは決して見られないような、バラエティに富んだマッサージグッズの数々は日本ならでは
ヨーロッパでは決して見られない、バラエティに富んだマッサージグッズの数々も日本ならでは
マッサージ器具などの健康グッズ、美容グッズなどもヨーロッパとは段違いに多種多様で高品質ですし、日本人の「ちょっとした日常生活の不満」をあらゆる分野で解消しようとするアイデア力には脱帽します。

物乞いフリーの「街並み」

日本の街並みで物乞いする人に遭遇することはない
街で物乞いする人に遭遇しないのも、実はヨーロッパ人からすれば珍しいこと
日本では、公園や駅構内で浮浪者を見かけることはあっても、積極的に金銭を無心する物乞いを公共の場で見る機会はほとんどありません。

しかしヨーロッパでは一転して、どこの国でもこうした行為を日常的に目にします。

コップを片手に通行人に声をかけ続けたり、両手を差し出しながら地面にはいつくばったり、小動物や子どもを伴って現れたり、身体障害を前面に押し出して憐憫(れんびん)を誘ったりするのが一般的です。

中には、人の腕を痛いほど突いてきたり、信号待ちをする車の窓から手を差し込んできたりと、日本人なら怯んでしまうようなアグレッシブな物乞いも国によっては存在します。

貧しい人や持たざる者に施しをするのはキリスト教の信念が深く根差したヨーロッパでは普通の行為ですが、日本人にとっては物乞いからの執拗(しつよう)なアプローチはどうしても不安を感じることもあるでしょう。

実は「安心して歩ける」街であること、それだけでも日本の大きな魅力の1つと言えるでしょう。
 

この記事の筆者:ライジンガー 真樹

元CAのスイス在住ライター。日本人にとっては不可思議に映る外国人の言動や、海外から見ると実は面白い国ニッポンにフォーカスしたカルチャーショック解説を中心に執筆。All About「オーストリア」ガイド。

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