コロナ禍を経て、再びインバウンドが増えている日本ですが、外国人から見た日本の文化の中で、驚きや意外性を感じるのはどんなところなのでしょうか。今回は、日本に住むアメリカ人男性が驚いた「日本の映画館での慣習」について紹介します。
出身はニューヨーク州・ニューパルツ
今回お話をうかがったのは、アメリカ・ニューヨーク州出身のLさん(仮名)です。「出身は、ニューヨーク州のニューパルツというところです。マンハッタンなどの中心部より北の方に位置していて、いわゆる“ニューヨーク”という都会っぽい雰囲気とは少し違うかもしれません。東京で例えるなら、奥多摩町のような雰囲気といえるかもしれませんね」
ニューパルツには、ニューヨーク州立大学ニューパルツ校があり、学生が集まる自然豊かな街なんだとか。
そんなLさんが日本に住み始めたのは、今から5年弱前だといいます。
「大学を卒業した後に海外移住に興味を持ち始め、日本を選びました。子どもの頃に知り合った日系の友人がいて、ジブリ作品や日本食などの魅力を教えてもらい、日本を好きになったことがきっかけの1つです。最初は広島県に住んで、英語教師をしていました」
Lさんは、2年弱ほど前から東京に移住し、現在は外国人向けメディアの制作に携わっているそうです。
「日本人は映画館で……」
「小さいことなんですが、映画館で映画を見る時、最後にエンドロールが流れますよね。日本人は最後まで座って見る人が多いけど、アメリカ人は本編が終わったら帰ってしまう人が多いですね。日本に来て、エンドロールが終わるまで多くの人が立ち上がらないのは衝撃だったかも。というのも、アメリカでは、エンドロールで照明がついて、明るくなる劇場も多いんですよ」
たしかに日本では、余韻に浸ったり、クレジットまでを「作品」だと捉えて楽しんだり、本当は劇場を後にしたいけれど同調意識でなんとなく立ち上がれずにいたり……エンドロールが終わるまで席を立たない人の方が多数派である場合が多いですが、これも日本特有の文化なのですね。
「『マーベル』作品など、エンドロール後に本編のおまけ要素がありそうだな、という映画の場合は座ったままの人も多いですが、基本的にはすぐに帰る人がほとんどです」
最後に、Lさんが好きな日本映画についても聞いてみました。
「好きな映画は『もののけ姫』です。アクションシーンがたくさんあることや、幻想的で不思議な世界を描写していること、さらに環境問題を題材にしていることも好きな理由です」
同じ映画でも、日本の映画館で鑑賞するのと、アメリカの映画館で鑑賞するのとでは、違った感慨が生まれるのかもしれませんね!