そこで今回は、日本最大級のラーメン情報サイト「ラーメンデータベース」の情報を基に、東京都の「豚骨ラーメン」人気店ランキングを紹介。併せて、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が上位の店舗を解説する(順位は「ラーメンデータベース」の「通算ランキング」の4月20日時点のデータより)。
>10位までの全ランキング結果を見る
2位:「麺処 一笑」
2015年12月、「かけラーメン+トッピング(選択制)」という斬新なスタイルでオープン。アイデアもユニークだが、スープに自信がないとできない仕様。ここが人気になっても、他に追随する店舗が登場しないことを見てもその難しさが分かる。
博多や久留米などの豚骨ラーメンは豚頭などを使うことも多いが、こちらは豚の大腿骨や背骨が中心。完成前に新鮮な豚骨を加えることで熟成香とフレッシュさの両方を兼ね備えたスープを作り上げた。魚介系は使わない、純粋な豚骨白湯スープが豚骨好きのハートをつかんでいる。
選べるトッピングである無料野菜もプレーン(醤油味)、スタベジ(背脂ニンニク)、カラベジ(激辛ラー油)、シビベジ(刺激MAX)、トマベジ(イタリアン)、すっぱベジ(レモングラスとパクチーのエス二ック)、ウオベジ(濃厚魚介)、ブラベジ(ブラックペッパー)と豊富にあり、毎日通っても飽きずに食べられる。野菜に強めの味が付いているものもあるが、ベースの豚骨スープが濃厚でしっかりしているのでちょっとやそっとの味を組み合わせても負けない。自分好みの組合せを見つけることも楽しめるお店だ。
1位:「中華蕎麦 ひら井」
店主は「ラーメン二郎」でアルバイトをしている際にラーメンに目覚め、ラーメン屋になろうと決意。普通ならここでラーメン屋で修業する道を選ぶと思うが、なんと製麺機メーカーに就職し、麺作りを学ぶことを選択した経歴の持ち主だ。同店は、店主がメーカーで知識を付けながら人脈も拡げ、満を持して2021年5月にオープンしたまだ比較的新しいお店である。
『TRYラーメン大賞』(講談社)の「新人大賞 とんこつ部門」でも1位を獲得しているが、博多や久留米などの豚骨ラーメンとはひと味違う。豚骨をベースとしながらも牛骨や鶏も使い、オリジナリティを発揮している。また、麺の知識を生かした自家製麺の出来が良い。そのような背景もあり、実はオープン当初はつけめんの人気が高い店であった。しかし、重層感を増したスープに自家製の低加水の麺を合わせた「中華蕎麦」の人気が高まり、今や豚骨ラーメン部門で1位を獲得するに至った。
駅からも遠く通うのも大変な立地だが、それでもリピート客をつかむほど、個性的な中華蕎麦は人気を集めている。魚介系を使わない、動物系100%でしかも豚牛鶏の三獣奏。チャーシューは炭火焼の後、煮込むという手間の掛け方でチャーシュー人気も高い。麺、スープ、チャーシュー、それぞれが個性的でハイクオリティ。こんなラーメン、なかなかない。
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。