そこで今回は、日本最大級のラーメン情報サイト「ラーメンデータベース」の情報を基に、「東京都の醤油ラーメン人気ランキング」を紹介。併せて、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が上位の店舗を解説する(順位は「ラーメンデータベース」の「通算ランキング」の4月20日時点のデータより)。
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2位:「八雲」
1999年中目黒で創業し、2回移転して現在は池尻大橋にて営業中。25年間にわたって行列を作り、常にラーメン本のランキング上位を維持している人気店で、『ミシュランガイド東京』(日本ミシュランタイヤ)にも6年連続で掲載中だ。
メニューは黒だし・白だしの2本立てだが、これは醤油と塩ではなく、黒醤油(濃口醤油)と白醤油の違い。それぞれにファンが付いており、どちらも人気の一品だ。ちなみに筆者は黒と白を3対7くらいの割合で食べているのだが、裏技で黒と白の“ミックス味”もあるので、何回か通った際には試してほしい。また、ほとんどの人がワンタン入りを頼むが、こちらにも海老と肉の2種類があり、海老派と肉派に分かれる。どちらも食べたい人は、両方が入っている“特製”というメニューがオススメだ。
人気にあぐらをかかず、研究熱心でこれまでに何度も味や作り方を変えているのも同店の特徴。動物系と和だし系は別の寸胴で作っており、最大5つの寸胴で別々に作ってブレンドしていたこともある。麺は長きにわたり細麺のみだったが、最近では平打ち縮れ麺との選択が可能になった。が、最初はやはり細麺を推奨する。また、多くの店ではチャーシューに煮豚を使っているのに対し、同店は創業時から焼豚を使用。そのため、肉好きにはチャーシュー麺がオススメだ。切り落としチャーシュー(端っこ)もいいが、早い時間に売り切れてしまうので、買えるときには購入すべし。
1位:「中華そば しば田」
都内の複数の有名店で修業したのちに2013年11月に独立し、オープンしたラーメン店。最寄り駅は京王電鉄京王線の仙川駅だが、駅から徒歩で十数分かかるので、小田急電鉄小田急線の成城学園前駅からバスに乗ることをすすめる。そんな訪れづらい場所にありながら、創業年にラーメン雑誌で新店大賞を受賞以降、常に行列ができる人気店だ。
同店は創業時から何度か味の変更をしており、常にその時点で最高の味作りを心掛けている。今の中華そばは、名古屋コーチンなどの地鶏と、ホロホロ鳥と豚のもも肉からだしを取り、そこに濃口・薄口・たまり・再仕込み・白醤油など9種類の醤油をブレンド。香り・うま味・甘味・コクなど、それぞれの醤油特性の違いを意識したブレンドは、もはや誰もまねのできない神業の域である。そのため、一口目の印象は“醤油のウマさ”がやってきて、食べ進めると鶏などのうま味が後を引く。
そんなスープに合わせる麺は、数年前に自家製に変えた細ストレート麺。相性が抜群で、スープの持ち上げや吸い込みも考えて作っているとしか思えないベストな組み合わせだ。チャーシューは低温調理の豚ロース肉と壺焼きで仕上げた豚もも肉の2種類で、どちらも美味。なお、店主はひげを伸ばした仙人的な風貌で、「この人が作るなら間違いない!」と思える職人顔でオーラがある。ラーメンを作るのは基本的にこの店主のみだ。
※ランキングデータは「ラーメンデータベース」の「通算ランキング」より
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。