木梨憲武さん、奈緒さんが共演するドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)が、3月25日放送の第11話で最終回を迎えました。父と娘、それぞれの旅立ちの時を迎えた感動のラストは号泣必至。ストーリーをおさらいしつつ、SNSに寄せられた反響を振り返ります。
最終話のあらすじ
3月25日、瞳(奈緒)と一馬(濱田岳)の結婚式当日。椎名家には朝からまき(筒井真理子)と阿波野(光石研)が訪れ、雅彦(木梨憲武)が新婦の父として結婚式に出席できるよう万全のサポート体制を整えます。慌ただしく出ていく瞳を見送りながら雅彦が家を出ると、目の前の道にバージンロードが作られていました。
思わぬ事態に「やられた」と言いながらも、瞳と歩き一馬の元へと届ける雅彦。父と娘が何度も歩いた家の目の前の道で結婚式を挙げる瞳と一馬。夫婦の誓いを宣言すると、参列者らとともに会場を移します。そこで待っていたのは「椎名瞳写真展」。ウエディングドレス姿の瞳が車椅子の雅彦を押し、2人の思い出を写真で辿ります。
「俺の写真ばっかり」と言う雅彦に、「だってお父さんも今日の主役だから」と返す瞳。考えていたのは、自分たちの結婚式と雅彦のお別れ会を合わせた「旅立ちの式」でした。瞳は雅彦が書いた葬式に呼びたい人リストの皆に連絡し招待したのです。雅彦が亡き妻・佳乃(森カンナ)とデートした街で聞きほれた歌手・ケイトも緊急来日。雅彦が英語を勉強していたのは、彼女に葬式で流す曲を作ってほしいと依頼するためだったのです。
式の帰り道で、瞳と雅彦は満開の桜も一緒に見ることができました。“死ぬまでにやりたいことリスト”が全てかない、瞳と桜も見られた。瞳の幸せそうな姿も見られた。最高の人生だったと語った雅彦は天国へと旅立ちます。瞳の実家で一馬、龍之介(石塚陸翔)と3人家族の暮らしがスタート。“カズマルくん”はSNSでバズったことをきっかけにテレビでネタがオンエアされ、瞳たちは3人で仲むつまじく晴れ姿を鑑賞するのでした。
父、娘の“旅立ちの式”で感慨無量のフィナーレ
式の帰り、桜を見ながら「俺はうれしいよ。瞳の幸せそうな姿、見れました」と満足そうに穏やかな笑みを浮かべた雅彦。CMが明けると葬儀が終わっており、瞳は雅彦が遺した「人生ノート」を読みます。忘れられない日は瞳が生まれた日、伝えたいことに「全部伝えた!」と書かれたノートからは、雅彦の瞳に向ける底抜けの愛情と、別れまでの3カ月を精いっぱい、瞳の父として生きられた満足感が伝わってきました。
瞳が一馬、龍之介と家族として新たな日々をスタートさせた一方、瞳の親友・美奈子(三上愛)は岸(深澤辰哉)に学生時代越しの思いを告げ、それぞれに未来に向かって明るく進んでいく姿も見られ、穏やかであたたかい気持ちに。ラストは瞳と生前の雅彦が「ねぇ瞳」「ねぇお父さん」と何気ない会話を交わしながら帰宅するエンドロールで終幕し、この3カ月の父娘のやりとりが思い起こされてまさに感慨無量のラスト。
X(旧Twitter)では、「とっても素敵だった。悲しいんだけど、どことなく幸福感があって、これまでを知ってるから幸せだと思うんだろうなとさらに泣いた」「暖かくて優しくて愛に溢れた素敵なドラマだった」「めちゃくちゃ泣いた。明日目がめちゃ腫れる。最高のドラマだよ」「いろいろ考えさせられるドラマだったな…やりたいことリスト作ろうかな」「素晴らしいキャストの方々に切なくも温かいストーリー、このドラマと共に春を迎えることができて嬉しい」など、感動コメントが殺到しています。
新年から春の訪れまでのこの1クールで、別れと始まりを、慈しみ、あたたかく包み込むような視点で描いた本作。間違いなく最高のドラマでした。丁寧に懸命に演じきったキャストの皆さんの次回作にも期待です。
『春になったら』あらすじバックナンバー
この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。