菜の花に彩られた沿線を進む

次の上総久保駅は片面ホームの反対側にあたる右手が菜の花畑になっている。車内放送での案内があったので、窓を少し開けて撮影してみた。ドアは開かないけれど30秒ほどの停車は、ビュースポット見物のためでもあるようだ。


養老渓谷駅が近づくと、左右に菜の花畑が広がる。石神の菜の花畑として有名なスポットで、平日にもかかわらず大勢の撮影者が列車に向けてシャッターを切っていた。
ホーム脇に足湯がある養老渓谷駅は観光地の駅らしくにぎわっていて、かなりの人が降りて行った。列車の終点は次の上総中野駅だが、この先は列車本数が激減するので、養老渓谷駅と上総中野駅の一駅間の乗車に限って、指定料金は不要になる。列車はラストスパートどころか一段とスピードダウンし、のろのろと山間部を進む。
終点・上総中野駅ではいすみ鉄道に接続

13分の停車時間の後、キハ40形観光急行列車は五井に戻る。帰りは上総牛久駅での23分停車以外の長時間停車はなく淡々と走っていく。往路で充分満足したので、停車時間が短くせわしないのも気にならない。
ともあれ、黄色いじゅうたんのような菜の花畑は鮮やかで見ごたえたっぷり。これから4月にかけては桜も咲き、沿線は訪問客でにぎわうことだろう。トロッコ列車は走らないけれど、その代役を務めるレトロなキハ40形も充分に魅力的な列車である。

この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。