【実例】外資系IT企業勤務、年収1000万円の34歳女性の選択
当初、女性も年収800万円以上を希望していましたが、同じくらい稼ぐ男性と結婚すると双方が忙しく、結局は自分が家事負担することになります。それであれば、定時帰りで家庭を守ってくれる人の方が穏やかに暮らせるからと、相手の希望年収を下げてもいい、という道を選びました。女性が「子どもができるまでは今まで通り仕事を進めたい、それまでは私が稼ぐから」と言うと、男性は「全面的に応援します」と言ったのが印象的でした。
今の時代の家事分担は、世帯収入の反比例で考えるのが妥当です。つまり、妻が年収600万円で夫が年収400万円であれば、家事の負担は4:6にするということです。一般的には年収に応じて業務時間が伸び、責任も重くなるからです。
「高年収男性」を希望しながら家事負担も要求するのは悪手
「これからの時代は、男性も家事を!」という思い込みから、希望条件を市場原理に合わせて変えられない頑固さがありすぎるのも、落とし穴になります。例えば、婚活女性の中には、自分よりも年収が高い男性を望みながらも、相手にも同等の家事をやってほしいと主張する人がいます。
「自分はフルタイムで年収600万円あります。夫となる男性には家事は平等に分担してほしい。年収は1000万円以上を希望します」となれば、当然苦戦します。
年収が多い男性は婚活人気が高く、年収相応に多忙であることが多いですから、相手にとってメリットが感じられなければマッチングはうまくいきません。
コロナ世代の20代「寿退社で専業主婦」志向で昭和に原点回帰?
全体的には女性の社会進出で晩婚化は進んでいますが、上の世代を見て、早く結婚したい人は20代で戦略的に婚活しますし、従来型の結婚や出産・育児を忌避したがる世代観が投影されたアンケート結果も多数目にします。婚活現場では、コロナ禍に社会人となった1997年~1999年生まれに「専業主婦希望・早婚志向」の女性が多くなっています。結婚後もバリバリと働くキャリア志向の女性もいれば、コロナ禍で社会人になったため職場での交流が少なく仕事に熱意が持てない「結婚を機に寿退社して専業主婦になりたい」という女性もいて、まさに二極化していると言えます。
良くも悪くも、大きく揺れ動いている2024年の日本のジェンダーロール。型にはまった古い体制が、共働き増加の現状と合わなくなってきていることから自由や解放を求めて動き出しているのです。
ただし、婚活はお相手ありきですから、「本当に譲れない条件の棚卸し」と「お相手とのすり合わせ」が肝。相手に望むばかりで、落とし穴にハマることがないようご注意ください。
この記事の筆者:植草 美幸
結婚相談所マリーミー代表。恋愛・婚活アドバイザー。ラジオやWebメディアも含め、年間約2000件の恋愛・結婚相談を有し、自身が代表を務める相談所では年間成婚率80%を達成するなど業界異例の成果を誇る。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)をはじめテレビ出演多数。著書に『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)、『結婚の技術』(中央公論新社)など。
結婚相談所マリーミー代表。恋愛・婚活アドバイザー。ラジオやWebメディアも含め、年間約2000件の恋愛・結婚相談を有し、自身が代表を務める相談所では年間成婚率80%を達成するなど業界異例の成果を誇る。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)をはじめテレビ出演多数。著書に『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)、『結婚の技術』(中央公論新社)など。