暖房の温度を1度下げると、どの程度節電になりますか? 【家電のプロが解説】

寒い時期に気になるのが、暖房の電気代。仮に設定温度を1℃下げた場合、どの程度節電になるのでしょうか。「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が回答します。

設定温度を1℃下げるとどの程度節電になる?
設定温度を1℃下げるとどの程度節電になる?
寒い冬に大活躍するエアコン暖房ですが、電気代が気になる人も多いですよね。仮に設定温度を1℃下げた場合、どの程度電気代が安くなるのでしょうか。

「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が回答します。
 

(今回の質問)
暖房の温度を1度下げると、どの程度節電になるのですか?

(回答)
設定温度を1℃下げると約10%電気代が節約できると言われています。少し寒いと感じたらエアコンの設定温度を上げる前に工夫をしてみましょう。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

設定温度を1℃下げると10%の節電に

皆さんはエアコン暖房時、室温が何℃くらいだと快適に感じますか。多少寒くても低めの温度で我慢しているという人もいるかもしれませんが、WHO(世界保険機関)は室温が低いと健康リスクが高まるとして、室内温度18℃以上を強く勧告しています。一方で環境省は地球温暖化の観点から、暖房時の室温は20℃を推奨していることから、20℃前後はキープしたいところです。

それでも寒いと感じたとき、エアコンの設定温度を上げたくなりますが、そうすると電気代も上がってしまいますね。反対に設定温度を1℃下げた場合、電気代が10%下がるといわれています。

1年間のエアコンの電気代は「期間消費電力量(kWh)」としてパンフレットなどに記載されています。この数字は、一定の使用条件で1年間使用した場合の電気代ですが、さらに冷房時、暖房時それぞれの期間消費電力量も記載されていますので、ここから暖房時にかかる電気代の目安が計算できます。いくらぐらい変わるのか、皆さんもご自分のエアコンでチェックしてみてください。

2000円以上の節電になる場合も

ここでは、富士通ゼネラルのエアコン「ノクリアXシリーズ」14畳タイプ(AYS40X2)を例に計算してみます。この機種の場合、期間消費電力量は1081kWh、うち暖房期間は769kWh、冷房期間は312kWh。電気代の目安は以下の計算式で算出できます。なお電気料金目安単価は2024年2月現在、31円です。

電気料金の目安=期間消費電力量(kWh)×電気料金目安単価(円/kWh)

この計算式に当てはめると、1年間で使用する電気代は、1081kWh ×31円=3万3551円、うち暖房時の電気代が769kWh×31円=2万3839円、冷房時の電気代が312kWh×31円=9672円となります。エアコン暖房時に設定温度を1℃下げたら10%の節電になるわけですから、約2384円分暖房費が節電できることになります。

設定温度を上げずに暖かく過ごす方法は?

少し寒いと思ったら、安易に設定温度を上げるのではなく、暖かく過ごせる工夫をしてみるのもよいでしょう。例えば、今話題の「着る電気毛布」は、直接体を温めてくれるので、快適に過ごせるアイテム。消費電力はとても少なく、例えば山善の「くるみケット」の1時間あたりの電気代の目安は、わずか0.8円です。

また、湿度を上げるのも1つの手。空気が乾燥していると、皮膚から水分が蒸発しやすく、その際に熱が奪われて寒く感じてしまいますが、湿度が上がると蒸発が抑えられて体感温度が上がります。冬の乾燥は、風邪やインフルエンザなどの感染にもつながりやすいといわれていますので、加湿は快適に過ごすために有効な方法といえるでしょう。

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この記事の筆者:田中 真紀子
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
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