連載「鉄道雑学ニュース」
乗り物の域にとどまらず、見ても、撮っても、もちろん乗っても面白い鉄道の世界。知れば知るほど奥が深くて面白い鉄道に関する最新情報&雑学を、「All About」の鉄道ガイドで旅行作家の野田隆が自ら撮影した駅舎や車両画像とともに分かりやすく解説する。
女子鉄アナ・久野知美さん『近鉄とファン大研究読本』重版記念イベント
女子鉄アナウンサーとして、テレビ、ラジオ、鉄道関連イベントの司会、さらには列車の車内放送の録音などで広く活躍中の久野知美さんが、2023年12月末に6作目の著書となる『近鉄とファン大研究読本』(カンゼン)を刊行した。関西を中心に、東は名古屋まで路線を延ばし、最近では観光特急「しまかぜ」「あをによし」や名阪特急「ひのとり」で人気の大手私鉄・近鉄(近畿日本鉄道)の魅力を独特の視点から熱く語った本だ。 ホリプロマネージャーの南田裕介さん、近鉄元広報マンの福原稔浩さん、鉄道車両デザイナーの川西康之さん、それに近鉄関係者が幅広くサポートしていて細かなデータなどにおいても信頼に足る本となった。そのため、鉄道ファンからの熱い支持を得て大好評で、早々と重版となっている。 それに伴い、近鉄の本場である関西でトークショー&サイン・撮影会を行ったところ満員御礼だったとのこと。第2弾として、東京でもトークショー&サイン・撮影会を決定。2024年2月11日に書泉グランデ(千代田区神保町)で開催した。運よく、取材する機会に恵まれたので、その模様をリポートしたい。「定時運行のところ、遅延が生じています」参加者を前に軽快なトーク
7階のイベントスペースは用意された50席が全て埋まる盛況ぶり。首都圏在住者ばかりと思いきや、寝台特急「サンライズ瀬戸」に乗って四国からやってきた人、関西や名古屋からの参加者もいて、その熱心さに圧倒される。これは、私が聞いて回ったのではなく、久野さんがトークショーの初めに尋ねたことだ。ともすれば、高いところから一方的に難解な話をする講演会が散見される中、参加者に寄り添うように垣根を取り払い、対話をしながら進めていくカジュアルなやりかたに人気の一端を垣間見る思いがした。
もっとも、トークショーの進行上は妨げとなり、主催者はハラハラするところであろう。「定時運行のところ、遅延が生じています」などと鉄道用語を駆使しながら、進めるあたりは余裕しゃくしゃくだ。間違っても「脱線しました」などという鉄道にとっては忌み嫌うような用語を避けることも忘れない。