「切ってはダメ」「喋ってはダメ」NGルールが多すぎる恵方巻の食べ方……なぜこんなに決まりがあるの?

節分に食べる「恵方巻」。包丁で切ってはいけない、食べている途中で喋ってはいけないなど食べ方のルールが多いですが、ルールがある理由、正しい食べ方などについて、「All About」暮らしの歳時記ガイドの三浦康子が解説します。

恵方巻の正しい食べ方は?「黙って食べる」のはなぜ?
恵方巻の正しい食べ方は? 「黙って食べる」のはなぜ?
節分に食べる物といえば「恵方巻」。決まった方角を向いて食べる、黙って食べきるなど食べ方に決まりが多いことで知られています。

そんな「恵方巻」について、「All About」暮らしの歳時記ガイドの三浦康子が解説します。
 

(今回の質問)
恵方巻の正しい食べ方は? 「黙って食べる」のはなぜ?

(回答)
節分(2024年は2月3日)に恵方(2024年は東北東)を向いて、願い事をしながら黙って最後まで食べきります。黙って食べるのは、「途中でしゃべると、巻き込もうとしている福が逃げてしまうから」です。

 
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

恵方巻の由来、意味

2024年の節分は2月3日です。節分とは季節の分かれ目という意味で年に4回ありますが、立春前日の節分が最も重要視されたため、節分といえばもっぱら立春前日の節分を指すようになりました。

節分には、年の変わり目の行事という意味があります。旧暦の頃は、春が新しい年の始まりを意味していたため、立春前日の節分は、正月前日の大みそかのようなもの。新年に向けて邪気を払い、幸せな1年を願うようになったのです。節分の豆まきも、もともと大みそかに行われていた「追儺(ついな)」という儀式に由来しています。
 
恵方巻の起源については諸説あり、後付けと思われるものも少なくないため定かではありません。ただ、発祥は大阪で、節分に「恵方」を向き、願い事をしながら無言で巻き寿司を丸かぶりすると願いがかなう、幸せになるといわれるようになりました。昭和後期から平成にかけて「恵方巻」などと呼ばれて全国に広がり、現在に至ります。

「恵方」とは、新年を司る年神様の別名「歳徳神(としとくじん)」のいる方角で、その方角に向かって事を行えば万事に吉とされています。

2024年の恵方と方角の決まり方

2024年の恵方は「東北東」(詳しくは東北東微東)です。

恵方の方角は四方しかなく、その四方と暦を構成する十干を組み合わせることで、その年の恵方が決まります。十干は10の周期で回るため、西暦の下1桁によって恵方を知ることもできます。

・西暦の下1桁が4、9の年は「東北東」(甲の方角⇒東北東微東/75度)
・西暦の下1桁が0、5の年は「西南西」(庚の方角⇒西南西微西/255度)
・西暦の下1桁が2、7の年は「北北西」(壬の方角⇒北北西微北/345度)
・西暦の下1桁が1、3、6、8の年は「南南東」(丙の方角⇒南南東微南/165度)

包丁で切ってはいけない? 途中で喋ってはダメ?

恵方巻には、縁起の良い食べ方があります。基本的な食べ方の手順は以下の通りです。

1. 恵方巻を1人につき1本準備します。福やご縁を巻き込み、1年の幸せや願いがかなうよう願うものなので、ご縁が切れたり、福が途切れたりしないよう、包丁で切ってはいけないとされています。
2. その年の恵方を向きます。
3. 願い事をしながら、黙って最後まで食べきります。


恵方巻きを「黙って食べる」理由は、恵方巻は、願い事が叶うよう、恵方を向いて願い事をしながら福を巻き込む巻き寿司を食べる習わしなので、「途中でしゃべると、巻き込もうとしている福が逃げてしまうから」だといわれています。願い事をしながら黙って食べきるようにしてください。

 

この記事の筆者:三浦 康子

和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。

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