台風16号は、20日、九州および紀伊半島に上陸し、大きな被害をもたらした。毎日新聞などによると、宮崎県延岡市北川町では北川が氾濫し、周囲に水があふれ出した。住宅や道路が水につかり、孤立した住宅もあるなど、生活に深刻な影響が広がっている。国道や県道など道路も冠水し、動けなくなった車から3人が救助された。

  

また、愛知県清須市では、大雨で冠水した道路に車ごと水没し、意識不明の重体となっていた女性が21日朝、搬送先の病院で死亡するという事故も起きている。

  

大雨で道路が冠水し、水没した車も多かった今回の台風被害。実は、水が引いてからも、自力で車を動かすことは危険ということをご存じだろうか。水没した車を動かす時の対処法は、どのようにしたらよいのだろうか?

  

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いきなりキーを回してエンジンをかけるのは危険!

冠水した車を動かすときには特別な注意が必要。特に気をつけるべきは、電気系統のショートによる発火や火災だという。

  

車の配線やカプラーの接続部などに水が付着すると、そこから電気がリークすることが考えられる。特に塩分を含んだ海水が付着した場合は、真水よりも電気を通しやすい上に、塩分によって配線などが腐食しやすくなるため、よりリークを起こしやすい状態となるので注意が必要。そのためエンジンが掛からないものかと、いきなりエンジンをスタートさせるのは危険という。

  

エンジンをかけてもよいかの見極め方法は?

まずはボンネットを開けて、エンジンルームのどのあたりまで冠水したのかを確認するとともに、海水がエンジンルームに残っていないかを確認しよう。エンジン本体や室内が水につかった形跡がある場合は、ショートの危険性があるため、エンジンの始動は断念すべき。念のためバッテリーのマイナスターミナルを外した上で、ロードサービスなどに依頼するのが賢明という。
  
エンジンルームに浸水した形跡がない場合も、車の外観などを含め、異常がないかを慎重に確認する。車種や状態にもよるが、タイヤの半分より上あたりまで冠水しているようなら、エンジンの再始動は難しいかもしれない。見た目に冠水した形跡がなく、エンジン始動を試みる場合は、スターターを回すときにできればもう一人の補助者などにエンジンルームから煙が出るなどの異常が見られないか、確認してもらいながら作業すると安全だ。
 

マニュアル車、ハイブリッド車の場合は?

マニュアル車の場合は、床下程度の冠水でもそのまま放置してしまうと、クラッチが張り付くトラブルが発生する可能性がある。いくらクラッチを踏んでも、ギアが入らない場合は、クラッチを踏む離すという動作を根気よく続けると振動で張り付いていたクラッチが剥がれることもあるが、直らない場合はロードサービスに依頼するのが確実。
 
ハイブリッド車や電気自動車では、通常の車に比べてはるかに大きな電流を扱っていて危険なため、絶対に近づかないようにしたい。

  

台風の被害は「車両保険」に入っていれば補償される

残念ながら、室内まで水が進入するほど冠水した車は、いくら修理をしても後々トラブルが絶えず、シートや内装に染み付いた臭いを落とすことは難しいため、廃車とされるケースが多いのだという。そんなとき、車両保険に入っていれば安心だ。
   
車両保険とは、自分のミスで車を壊した、もしくは当て逃げなど、自分に責任はなく損害賠償を訴える相手が特定できない場合でも支払われる保険。車両保険を付帯すると自動車保険料は割高になるため、加入をためらう人も少なくないが、天災に備えるなら、入っておくのが賢明かもしれない。

  

これに関して、損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之氏はAll Aboutで解説をしている。それによると、車両保険は、車対車の事故の補償をベースに、火災・爆発、台風・洪水・高潮などの災害や盗難、いたずらなども補償されるという。ただし、「地震や噴火、これらによる津波」は補償の対象外なので注意したい。

   

地震や噴火などに備えるには、「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」が必要となる。保険料負担も重くなるので、車の必要性やローンの返済等を考慮して検討すべきだと平野氏は述べている。

  

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