この記事ではアンケートで得た回答にもとづき、親の勧めで大学院に進学し、図らずも奨学金を借りることになった30代女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール
回答者本人:30代女性在住:東京都練馬区
家族構成:独身(子なし)
住居形態:賃貸
職業:正社員
年収:420万円
現在の貯金額:0円
回答者の奨学金の状況
借りた奨学金の種類:給付型奨学金、貸与型奨学金を併用返済状況:完済
奨学金で利用した金額(総額):120万円
奨学金の月々の返済額:1万円
奨学金以外に借入しているもの:特になし
父親の勧めで大学院に進学「あまり借りたくなかった」
奨学金を借りたきっかけについて、「父親の勧めで大学院に進むことになったが、奨学金を借りてくれと言われた」と話す回答者。「なんだか矛盾していることもあり、あまり借りたくなかったが、状況が状況なので借りることになった」と当時の心境を率直に述べました。
返済のために半年以上同じレシピで食費を削減「今思えばすごい精神力」
回答者は毎月1万円ずつ返済し、5年間で奨学金を完済したとのこと。返済において辛かった経験を尋ねると、「出費を削って生活していたので辛かった」「とくに食費は削っていたので半年以上、同じレシピを食べて食費を維持していた時もありました」と、壮絶なエピソードを明かしました。
加えて「ルーティン化していたので、時間短縮にはよかったものの、おバカの一つ覚えだなと思って生活していました。ただ、そうしないと返済できないことが目に見えていました」と、奨学金返済に追い詰められて過度な節約に励んでいた時期を告白。
その一方で、「好きなものや欲しいものを買いたくても我慢し続けていた自分がいました。その反動か、お金を使いまくってた時期がありました」と、節制のストレスによって浪費が激しくなった経験も話しています。
奨学金は最終手段? 「結局は自分で自分のことをやったほうがいい」
返済のために多くのことを制限していた過去を振り返り、奨学金の利用を検討している人に向けて「いわゆる借金なので、お金を借りて勉学に励むことはいいことなのか一旦考えてほしい」と話した回答者。「国も機能していないし、自治体もよくわからない人が多い。結局は自分で自分のことをやったほうがいい」「それでもダメなら奨学金という制度を選択してもいいかもしれない」と、奨学金はあくまでも最終手段として頼るようアドバイスを述べました。
奨学金は将来の可能性を広げる一方、貸与型の場合は返済によって卒業後の家計が圧迫されうる制度です。返済に追われて後悔することのないよう、利用前にその必要性を入念に検討する必要があるでしょう。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:三山 てらこ
横浜生まれ横浜育ち。グルメと深夜ラジオを愛するライター。FP2級。銃弾を防ぐ少年団と、ポケットに入るモンスターも大好き。最近の悩みはアイスの買い置きが一瞬でなくなってしまうこと。X(旧Twitter):てらこ@ライター(@TeraWEB1)