同性カップルが子どもを持てなくなる? 精子提供などを巡る法案が紛糾。先進国から後退し続ける日本

11月7日、生殖補助医療の在り方を考える超党派の議員連盟の総会が開催され、最新のたたき台がまとめられた。その中の「精子、卵子提供を受けられるのは法律婚の夫婦に限定する」というルールは、一体どのような人たちにどういった影響を与えるのか。

いまだに同性婚もできない、先進国の中で後退し続ける日本

2021年6月には、フランスで全ての女性に人工授精の権利を認める法案が成立した。イギリスやスウェーデン、スペインではすでにその権利を認めている。欧州では同性カップルに対する法整備が進められる中、いまだ同性婚もできず、今回精子、卵子提供を「婚姻関係のみ」と制定しようとしている日本。

政府が懸念する少子化を自ら推し進めるかのような法案を通そうとするとは、彼らは一体何を考えているのだろう。伝統的な家父長制にこだわり、「女性の母親」と「男性の父親」がいる家族観を、それを望まない人々にも押しつけようとしている。そういった“抑圧”が少なからず少子化を加速させているのだろう。 

もし、法案が成立したらどうなってしまうのか

もし、この法案が成立してしまったら、日本では正式で安全な手段で同性カップルが自分と血縁関係のある子どもを持つ方法が断たれてしまう。個人間での精子、卵子提供や、高額な費用で手術を請け負う個人病院など、さまざまなリスクをはらむ“裏道”が増えてしまうだろう。海外で子どもを産むという手段は残されるかもしれないが、渡航費用や施術費用など、高額になることは明らかだ。
 
今回の法案をどうにか修正させようと、署名活動を行う人物がいる。「LGBTQが子どもを持つ未来を当たり前に選択できる」、そういった社会を目指し活動を続ける非営利型の一般社団法人「こどまっぷ」の代表であり、同性カップルとして子どもを育てている長村さと子氏だ。

世界最大のオンライン署名サイト「Change.org」にて、「⼦どものいる未来を持つチャンスをください」という題で現在署名を集めている。要望については、「特定生殖補助医療法案において精子提供の範囲を婚姻夫婦のみとせず、出産をのぞむ全ての人に拡大していただくよう修正を要望します」と、説明。

署名の期限は14日23時までなので、ぜひ1人でも多くの人からの支援を集めたい。日本で確かに生きている多くのマイノリティのために。
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