(今回の質問)
Windows 11の最新パソコンでもセキュリティソフトは絶対に入れないとダメですか?
(回答)
セキュリティソフトは入れた方が良いでしょう。Windowsには標準のセキュリティソフト「Windows Defender」があるため、市販のセキュリティソフトは不要だという意見もあります。しかし市販のソフトはウイルス除去以外にもさまざまな機能があるので、使った方がより安全だといえます。
以下で詳しく解説します。
Windows標準のセキュリティ機能とは
Windowsには「Windows Defender」(※2023年現在の正式名称は「Windows Defender ウイルス対策」)というセキュリティ機能が標準で組み込まれています。
これは2006年に登場した「Windows XP」時代からマイクロソフトによって提供されているセキュリティソフトで、現時点で一般的なアンチウイルス機能としては必要十分なレベルの機能を備えています。
そのため、「標準で十分なセキュリティが確保されるなら、他のセキュリティソフトは不要。だから市販ソフトは入れなくて良い」という主張をしている方がいるのも事実です。
実際に、このWindows標準のセキュリティ機能で十分で、最新のセキュリティ事情にも詳しく、何かあっても自分で対処できるという自信があれば入れなくても問題ありません。
こんな人はセキュリティソフトを入れた方が良い
ただし、「危険なWebサイトは『Edge』や『Chrome』などのWebブラウザで警告されるし、変なファイルをダウンロードしたらOSの標準セキュリティ機能で警告されるから、セキュリティ対策はそれで十分」だと思っているくらいのセキュリティスキルなら、かなり危険です。
最近は、特定の相手に狙いを付けたスピアフィッシング、ビジネスメール詐欺、ファイルレスマルウェアのような、ほとんどのセキュリティソフトでは検出が難しいウイルスや巧妙な攻撃など、脅威の種類も増え、手口も日々複雑化しています。
始めは便利な拡張機能だったのに、いつのまにかトロイの木馬になるWebブラウザの拡張機能、突然表示されるセキュリティ警告を装った詐欺などもあり、何が大丈夫で、何が危険なのかの判断も難しい状態です。
このようなインターネット上の犯罪は年々高度化しており、セキュリティの専門家でも対応が難しい状況になっています。
市販のセキュリティソフトは、ウイルス対策だけでなく、危険なWebサイトの警告、ID/パスワードの保護、家族向けの機能、専門家によるサポートなど、さまざまなセキュリティ関連機能を提供しています。
できる対策はやっておいて損はない
家の玄関は、鍵が1つあれば普通は問題ありませんが、2重鍵にして、窓も補助鍵などを使うなど、複数の防犯対策をします。より複雑巧妙化する近年のネット犯罪対策には、家の防犯対策のように、できる対策はやっておいて損はありません。
有料のセキュリティソフトは、年間数千円程度でさまざまなセキュリティ機能に加えて、セキュリティ関係の相談先も提供されます。
もちろん、有料のセキュリティソフトを使っても完璧に守れるわけではありません。ユーザーのセキュリティ関連スキルの定期的なアップデートも必要で、セキュリティソフトが必要か不要かを考えることも、その一部かもしれません。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。