多くの子どもの成長過程でやってくる思春期(反抗期)。保護者にとっては、かわいかった小さいわが子の、まるで人が変わったような言動に戸惑う時期でもあります。
お互いにストレスがたまりつらい期間ですが、永遠に続くわけではありません。どれくらい続くのか、収束したきっかけはあったのかなど、All About ニュース編集部が行ったアンケートで集まったエピソードをご紹介します。
思春期(反抗期)の期間は? 「なかった」家庭も!?
終わりが見えないわが子の思春期に振り回される保護者も多いのではないでしょうか。All About ニュース編集部が実施したアンケートによると、思春期(反抗期)の期間にはだいぶ幅があるようで……。
半年、1年、2~3年など比較的長かったという人から、1回だけという人までさまざま。この中から、「なかった」と回答した人の気になるエピソードをいくつかご紹介します。
「娘ははっきりとした反抗期がなかったように思います。小さい頃から自分の考えをなかなか変えない頑固な部分があり、もともと反抗期体質と言えるかもしれません。友だちとも家族ともよくケンカはしますが、自分では『意外と素直で良い子だと思うよ』と言っています (55歳女性/千葉県) 」
「兄(長男)が反抗してるのを見て『あまり得策でないな』と思ったのか、妹(長女)は反抗期がなかったです。第一子は親も子もどうしたらいいかわからなくて、こじらせるのかもしれませんね (58歳女性/埼玉県)」
>思春期といえば、こんな言動
通り過ぎればいい思い出!? ほっこり笑えるエピソード続々
「小学生の中学年頃、子どもと喧嘩した勢いで『出ていけ!』と言ったら、本当に夜中に出ていったことがあります。季節は冬で雪がちらついていたので、本当に外に出ていったとは思わず、暫くして玄関を見に行ったら靴がなく慌てて探しに行きました。近所の親戚にいることが分かり大事には至らなかったのですが、以降は冷静に対応しようと反省。忘れられない出来事です (46歳女性/岐阜県)」
「長男が12歳のとき、とにかく親を無視をするので『反抗期か? 成長したねぇ。よいよい!』と言ったら、照れ始めました。それからときどき息子が『反抗期中!』と言うようになり、笑えました (38歳女性/岩手県)」
「反抗期中の息子が中学2年生のとき、下校途中に母の日のプレゼントを買って帰ってきて、無言でカーネーションの花束を渡してくれたことは忘れられない思い出です (54歳女性/宮城県)」
いつかは終わりがやってくる反抗期。終わった頃の出来事についても多くのエピソードが集まりました。
「反抗期がピークだった小学6年生頃、娘を叱った時に『頼みもしないのに勝手に私を産みやがって!』と言われたことがありました。この発言だけはどうしてもスルーできず、『私はあなたに会いたかったから産んだ』『命を軽く見るようなことを言うな』と、かなり感情をむき出しにしてしまいました。娘は涙をボロボロと流して『ごめんなさい』『産んでくれてありがとう』と大号泣。私もつられて大号泣。そしてなぜか、その翌日くらいから娘の反抗が激減し、気付いたら終わっていました (41歳女性/埼玉県)」
「暴言が続いていた娘がヒートアップして『こんな家に生まれなければ良かった』と言ったので、私は『じゃあ、生まれる前に戻って選ぶ?それか、母さんが相手を変えてみる?でもそれじゃあなたは生まれないわ。困ったね?』と真面目な顔で本当に困っている顔をして言い続けていたところ、娘が笑い出し、それ以来『こんな家』『こんな親』といった言葉は出てこなくなり、反抗期は終了ました (43歳女性/愛知県)」
なんと! あの壮絶な日々が記憶にないケースも?
スルーできない暴言に激高したり、イライラが積もって子どもを家出させてしまったり、泣いたり笑ったりしながらも真剣に向き合ってきた思春期・反抗期。終わってしまえば親にとって忘れられない思い出として心に残るものです。一方で、
「反抗期が終わって大人になった息子に当時のことを話したことがありますが、本人の記憶には残っていないことが分かり、拍子抜けしました(67歳男性/広島県)」
「中学2年生のとき、いわゆる中二病的な症状だった息子。高校生になって『あのときはひどかったよね』と話すと、『俺は反抗期なんかなかった』と言い張ります。都合の悪いことは忘れていくのかもしれませんね(45歳女性/神奈川県)」
……といったように、当の本人は忘れてしまうこともあるようです。
この記事の筆者:古田 綾子
雑誌・Webメディアの編集者を経てフリーランスライター。2児の母。子どもの受験をきっかけに教育分野に注力。自らの経験に基づいた保護者視点で、教育界の生の声やリアルな体験談などを取材・執筆。