睡眠時には、残暑でもエアコンは「つけっぱなし」の方がよい?【家電の専門家が解説】

夏は夜間でもエアコンは「つけっぱなし」が良いという話を聞きますが、残暑が厳しい夜はどうでしょうか。家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

睡眠時には、残暑でもエアコンは「つけっぱなし」のほうが良い?
睡眠時には、残暑でもエアコンは「つけっぱなし」の方がよい?
エアコンは稼働時に消費電力が大きくなることから、真夏は「つけっぱなし」が推奨されていますが、残暑のタイミングではどうでしょうか。家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
残暑が厳しくて眠れない夜にも、エアコンは「つけっぱなし」のほうが節電になるのでしょうか?

 

(回答)
気温や使い方によっては節電になる可能性はありますが、睡眠時にエアコンをこまめに消すのは難しいのでつけっぱなしで大丈夫です。気になるのであれば、「オフタイマー」や「快眠モード」などを活用しましょう。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
 

睡眠時は「省エネ」よりも「快眠」を追求しましょう

9月には残暑が厳しい日も多くありますが、夜になると気温もある程度下がってきます。そうするとエアコンをこまめにオフにしても室温が大きく上がらないため、こまめに消す効果は大いにあります。ただし睡眠時にこまめに消すのはなかなか難しいため、あまりおすすめはしません。

それよりも活用してほしいのが「オフタイマー」機能です。和洋女子大学 服飾造形学科 水野一枝准教授の論文『環境温湿度と睡眠』によると「冷房は(中略)睡眠の前半、約4時間使用すると、使用しないよりも睡眠効率が改善し、後半に使用するより効果がある」とされています。「タイマーは少なくとも3~4時間は必要であると考えられる」ことに加えて、「睡眠に影響を及ぼさない温度の上限は28℃」とも記されています。

また、海外の文献『Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm』によると、一般的な睡眠に良い寝床内環境(ふとんの中の環境)は温度が32~34℃、相対湿度が40~60%だと報告されています。

そこで快適な睡眠を得るためには、室温が28℃以下になるように設定し、少なくとも3~4時間は設定温度をキープできるようにオフタイマーを設定することをおすすめします。
 

「快眠モード」や「おやすみモード」の活用を

そのほか、メーカー各社が「快眠モード」や「おやすみモード」などの睡眠のために特化した運転モードを提供しています。これらの機能はメーカーによって異なりますが、快適な睡眠が得られるように室温を徐々に下げつつ、起床時刻近くになると徐々に室温を上げてすっきり目覚められるといったものが多いようです。

省エネにこだわりすぎると熱中症になってしまったり、中途覚醒してしまったりと、健康を害してしまう危険性が高まります。ぜひともバランスの良い運転を心掛けるようにしましょう。
 

この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
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