そもそも「横取り」はしてはいけないのか、されてしまったらどうすれば良いのかなどを、「All About」ネットオークション・フリマアプリガイドの川崎さちえが解説していきます。
今回のお題はこちらです。
(今回の質問)
メルカリで「横取り」をしてはいけないですか?
(回答)
「横取り」を禁止するメルカリ公式ルールはありません。そのため横取りをしてもペナルティを受けることはないです。でも出品者によっては、キャンセルの依頼がくる可能性もあります。
以下で詳しく解説していきましょう。
「横取り」をするのは専用出品にしているから
まず「横取り」の意味を考えてみましょう。もともとメルカリは提示されている金額ですぐに購入できる仕組みなので、「横取り」という概念はないはずです。しかし実際には「横取り」による悩みやトラブルが起きるのは、「購入するユーザーが決まっている」状態の「専用出品」になっているからです。出品者と購入予定のユーザーが値下げ交渉などをして価格を決めた後、出品者が「他の人は買わないでください」と伝えるために専用出品にします。これを購入するので「横取り」というわけです。
「専用出品」は公式ルールではない
ここで考えたいのは専用出品はメルカリの公式ルールではないということ。メルカリは、「最初に購入手続きをした人が商品を買える」としているので、専用出品になっていても先に手続きをした人と取引をするのが出品者の適切な判断ということになります。ということで、「横取り」をしても問題はありません。もちろん、メルカリからのペナルティもありません。参考記事:「メルカリ」の「専用出品」や「転売」を“中の人”はどう思ってる? 単刀直入に見解を聞いてみた
横取りされたユーザーはどうする?
専用出品にしてもらった商品が別のユーザーに買われてしまったら、購入するはずだった人は驚くことでしょう。しかし、ほとんどのユーザーは諦めて違う商品を探すのではないでしょうか。筆者も過去に出品者の立場で「横取り」をされたことがありますが、購入する予定だったユーザーから文句を言われたことは1度もありません。その商品が他にも出品されていたのが大きな理由だとは思います。
仮にその商品が貴重な1点物であれば、横取りされた人は出品者に連絡をすることでしょう。出品者によっては購入したユーザーに事情を話して取引キャンセルをお願いするかもしれません。しかし、購入したユーザーはキャンセルを了承しないと思うので、出品者は取引を続けることになるでしょう。
ちなみに、この場合、出品者には全く非はありません。堂々と取引を進めるのが適切な流れです。
「横取り」を禁止するメルカリの公式ルールがない以上、横取りされた方は諦めることになります。悔しいでしょうけれど、それがメルカリの公式ルールといえます。
この記事の筆者:川崎 さちえ
ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年。NHK『あさイチ』をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。