健康面、経済面の理由など、実家暮らしを選択する人にはさまざまな事情があります。中には、自身の理由ではなく、家族のために実家暮らしを選択せざるを得ないことも。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、愛媛県松山市在住・27歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:27歳女性在住:愛媛県松山市
同居人数:親2人、自分
世帯年収:父親260万円、母親180万円、自分130万円
実家の間取り:1軒家3LDK
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:5万円交際費:0円
毎月のお小遣い:2000円
毎月の貯金額:3万円
貯金総額:103万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、34歳以下女性の1カ月の平均消費支出は16万3767円です。そのうち、住居費の平均は3万8400円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた12万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定の有無を聞くと、現時点では「ない」とし、「一人暮らしできる収入ではないから」と明かしました。さらに、恋愛や結婚願望は「ない」と回答しています。
実家暮らしは母の要望……「熟年離婚しそうだから出て行かないでくれ」
現在、実家暮らしを選択している1番の理由は「母の強い希望」なのだそう。「両親の仲が悪く、父と2人暮らしになると重苦しい雰囲気に耐えられず、熟年離婚しそうだから出て行かないでくれと懇願されました」とその理由を回答してくれました。また「私も一人暮らしするだけの給料もないので、受け入れています」と、自身にとっても都合がいい申し出であったことを明かしました。
私生活を自由に過ごすことができずストレスに
一方、実家暮らしで苦労していることについては「お風呂やトイレなどの設備を共有するため、自分のタイミングで利用できず、不便に感じる」と明かしました。また「同居する家族から自分自身の私生活について意見を言われることでストレスを感じてしまうこともあります」と、共同生活を送る上での弊害も語りました。
同じ環境下で共同生活する大変さに加え、プライバシーについて関与されることに実家暮らしの“負の一面”を感じているようです。
しかし、実家暮らしをする上でお金に関する悩みについては「実家暮らしをしているとお金の使いどころがないため、順調に貯金が貯まっていっているので、お金に関しては悩んでいません」と、実家暮らしの恩恵についても明かしています。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。