経済的な悩み、家族の介護、健康的な理由など、実家暮らしを選択する人の事情はさまざま。中には、世間の目は気になるものの、やむを得ず実家暮らしを続けている人も。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、東京都北区在住・28歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:28歳女性在住:東京都北区
同居人数:親2人、自分
世帯年収:父親800万円、自分200万円
実家の間取り:1軒家3LDK
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:3万円交際費:5000円
毎月のお小遣い:5000円
毎月の貯金額:3万円
貯金総額:10万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、34歳以下女性の1カ月の平均消費支出は16万3767円です。そのうち、住居費の平均は3万8400円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた12万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定の有無を聞くと、現時点では「どちらともいえない」とし、「出れれば良いと思うが、自分の病気などの都合があるので」とのこと。さらに、恋愛や結婚願望は「ない」と答え、「自分には無理だと感じている」と話しました。
1人暮らしで鬱になり、コロナ禍で会社も倒産……仕方なく実家へ
現在、実家暮らしの理由について「以前仕事をしていたが、一人暮らしをしていた時に重度の鬱になり、仕事ができなくなった。さらに、コロナが続いて働いていた場所も倒産し、生活が立ち行かなくなり実家に戻った」と明かしました。また「未だに鬱があるのでそれで実家暮らしをしています」と実家暮らしの必要性についても説明してくれました。
親の老化、周囲の目線、家計へ入れる金額……悩み事は尽きない
実家暮らしで苦労していることについては「親が年老いてきて、これから自分がどうしようかという現実を突きつけられるのが怖い」と回答。さらに、「周りから『自立していない娘さんと一緒に住むなんて可哀想』という目で見られているのがわかるのがしんどい」と、他人の目も気になることも明かしました。
また、実家暮らしをする上でお金に関する悩みについては「できればもう少しお金を入れたいが、自分の収入的にもそこまで入金することができず、もどかしい気持ちになる」と述べています。
健康的、経済的理由から選択した実家暮らしですが、現状から将来にかけて心配事が多く悩みの種が尽きない、と感じているようです。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。