なぜ家電メーカーの象印が「クラフトビール」を発売? 「ハレと穂」の気になる味わいをチェック
家電メーカーの象印マホービンが、SDGsの取り組みの一貫としてクラフトビールを発売しまいた。象印を含む3社がタッグを組んで開発した「ハレと穂」の原料となるのは、炊飯試験のごはん。これまでにない価値観を生み出す新たなクラフトビールを紹介します。
最近はコンビニやスーパーでも「クラフトビール」を目にする機会が増えています。数あるクラフトビールの中で最近話題を集めているのが、象印マホービンが手掛けた「ハレと穂」という商品。
象印といえば老舗の家電メーカーの1つですが、そんな企業がクラフトビールを発売するなんて不思議ですよね。何より、どんなビールなのかが気になる! そこで今回は6月21日に発売した「ハレと穂」を実際に飲んでみました。
炊飯器の開発で余る試食米をアップサイクル
象印は以前からSDGsに取り組んでいます。2021年には炊飯ジャーを開発する際に炊飯試験で炊いたごはんを原料にして発酵アルコール(エタノール)を精製した、天然由来成分99%の「ごはんで作った除菌ウェットティッシュ」を商品化。さらなるごはんのアップサイクルを模索する中、誕生したのがハレと穂なのです。
今回の企画を提案したのは、フードロスに取り組むシンガポール発のスタートアップ企業・CRUST JAPAN社。さらに、ビール作りは研究型ブルワリーを自負する伊勢の伊勢角屋麦酒が手掛けています。
白ぶどうのフルーティーな香りが特徴
お米は麦芽に比べてタンパク質や脂質など糖分以外のエキス分が少ないそうです。そこで、ハエと穂はすっきりとしたライトボディなラガービールに仕上げられています。さらに、ラベルと見ると「濃縮果汁(ブドウ)」の文字が。そう、このビールには白ぶどうの果汁が使われているんです。
実際に口にしてみると、シュワっとした強めの炭酸とともに、白ぶどうのフルーティな香りが口の中に広がります。ラガービールと聞くと苦いイメージがありますが、苦みは控えめで、後味はかなりスッキリしているので、クラフトビールを飲み慣れていない人もおいしくいただけるでしょう。
言われなければ「ごはんを使っている」とは分からないのが不思議です。もしかすると、ビールの味わいに角がないのはごはんによるものかも。また、スッキリした味わいは、和食など優しい味付けの食事との相性も抜群です。
価格は660円と少し割高ですが、環境に優しくておいしいビールは手土産にも喜ばれるはず。「象印食堂(大阪本店、東京店)」での提供、および伊勢角屋オンラインストア、イオンリカー株式会社の各店舗(四谷店、日吉店、蒲田店)で販売されているので、ぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか。