おいしい鯛の証ともいわれる「鳴門骨」がTwitter上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは愛媛県の「のま果樹園」のTwitterアカウント(@nomakajuen)が「知人が釣った大きな鯛をおいしくいただいたところ骨が変」と投稿した1枚の画像。
骨の一部が丸く膨らんだこの骨。この鯛が釣られたのは潮流の激しい来島海峡とのことだが、いったいこの膨らみはどのような原因でできたものなのだろうか。
のま果樹園の投稿に対し、Twitterユーザーからは
「荒波などを骨折しても乗り越えて生きた強者らしいですよ」
「同じものを食べたことがあります! 骨が全部それになってました」
「荒波にもまれて育ったおいしい鯛だったんですね、鳴門骨と呼ばれる骨折の跡です」
など、数々の驚きの声や情報提供が寄せられている。
のま果樹園のTwitter担当者にお話を聞いた。
久々にTwitterの醍醐味を感じることができた
――この骨をご覧になったときのご感想をお聞かせください。
担当者:該当ツイートのコメント欄でたくさん言われている「鳴門骨」というものを知らなかったので、骨を見たときはびっくりして病気などではないかとすぐに検索しました。結果、珍しいもので、縁起が良いとされているものだと知ったので投稿しました。
――鯛はどのような調理で召し上がりましたか? 味わいのご感想などお聞かせください。
担当者:鯛は一部をお刺し身で、残りは鍋にして食べました。暑くなってきましたが鍋が1番です。「骨が折れるほどの急流を泳いできた=身が引き締まっていておいしい」といわれているようですが、通常の骨の個体に比べて極めておいしいというものではありませんでした。とはいえ、このあたりの鯛は普段からとてもおいしいので、こちらも十分においしかったです。
残念ながら調理前や調理中の画像は残っていませんが、知人から1週間後に同じように鯛をいただいたので、そちらは写真に残しておきました。骨にコブがあった鯛は、この鯛よりもさらに一回り大きかったです。
――投稿の反響へのご感想、これが「鳴門骨」と呼ばれるものだったことを知ったことへのご感想をお聞かせください。
担当者:何より鳴門骨をご存じの方が多いことにびっくりしましたが、「知ってはいたけど本物は初めて見た」「全く知らなかったのでびっくりした」など、地域性があるのか魚と関わる機会の違いなのか、さまざまな反響がありました。骨折しても頑張って生きてきた鯛をねぎらうようなコメントも多くほっこりしました。
また、鳴門骨は珍しい、珍しくないとさまざまな意見がありましたが、実際の珍しさはさておき、単純に昔から縁起物と呼ばれるものに出会えたことはうれしかったです。
今回最も印象的だったのは「コメント欄を見て勉強になった」「Twitterは学びがある」といった反響が多かったことです。SNSでの誹謗(ひぼう)中傷などが取り沙汰されることも多いですが、こういったコメントのやりとりなど、久々にTwitterの醍醐味(だいごみ)を感じることができて楽しかったです。本業とは全く関係のない内容ではありましたが。
今回、鯛の骨で話題になったが、普段は愛媛県のかんきつを全国に出荷している人気のみかん専門店・のま果樹園。
6月下旬からはハウスみかんが出荷されるとのこと。興味のある人はぜひ公式サイトなどをチェックしていただきたい。
取材協力:のま果樹園
所在地:愛媛県今治市神宮甲844-5
Twitter:@nomakajuen
公式サイト