新聞の切り抜きを組み合わせて作る『コラージュ川柳』がTwitter上で大きな注目を集めている。
日々、コラージュ川柳を作り、投稿しているのは芸術家の淀川テクニックさん(@collage575)。
2023年6月7日に投稿した「ダメ元で ひざ関節に マヨネーズ」という川柳は現在10万件近い「いいね」を集める大反響に。
分かるような、分からないような感じだが独特の味わいあふれるこの川柳に、Twitterユーザーからは、「もうあっぱれ、間違いなく才能アリです」「有望視されていた天才バスケ少年が、けがで膝を壊してしまったという情景が見える」「サプリもヒアルロン酸注射も効かず、万策尽きたとき、そこにマヨネーズがあったのですね。 分かります」など数々の称賛の声が寄せられている。
作者の淀川テクニックさんにお話を聞いた。
膝ではなく“腰”が痛くなった……
――今作をひらめいた経緯、反響へのご感想をお聞かせください。
淀川テクニックさん(以下、淀川テクニック):たくさん作っているので一つひとつの句の記憶はほぼないのですが、普段は自宅で作っていて、このときは出先の畳の上で這いつくばるような体勢で切り抜きを並べていたせいで腰痛になりました。
自分が思う面白さとTwitter内での反響が違うのがとても興味深いです。「面白い」って本当に人それぞれ違いますね。
――コラージュ川柳を作る際の発想のきっかけや、大切にしていることについてお聞かせください。
淀川テクニック:こういう言葉遊びに限らず、俯瞰(ふかん)してみると、人の作り出すモノって全てすでにあるモノ同士の組み合わせで作られているなって思います。時々、世の中を組み合わせ目線で眺めてみるのもオススメです。五文字七文字の切り抜きのためだけに新聞を買っているのですが、記事を読み込んでしまい、図らずも世相に詳しくなってしまいます。
――「ダメ元で ひざ関節に マヨネーズ」以外に最近の作品でお気に入りのものがあればお聞かせください。
淀川テクニック:「おじいさん 昆布を使い 羽ばたいた」
「不思議だが しょうゆベースの データもある」
などです。
淀川テクニックさんはTwitterのコラージュ川柳専用アカウント(@collage575)で日々、さまざまな作品を投稿。また、2023年9月に和歌山県で行われる「くどやま芸術祭2023」にも『コラージュ川柳』で参加予定なので、ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。
取材協力:淀川テクニックさんのプロフィール
2003年に大阪府・淀川の河川敷を拠点として活動開始。ゴミや漂流物などを使い、さまざまな造形物を制作する。赴いた土地ならではのゴミや人々との交流を楽しみながら行う滞在制作を得意とし、岡山県・宇野港に常設展示された『宇野のチヌ』『宇野のコチヌ』は特によく知られている。「淀川テクニック」として、作品の制作のみならず、その独創的なアイデアを生かしたさまざまなワークショップを全国各地で開催するほか、『コラージュ川柳』の発案者・考案者でもある。
Twitter:@collage575
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くどやま芸術祭2023