>参考:就活生に聞いた「成長見込みがある企業」TOP10
Q. 「就活の軸はなんですか?」と聞かれることがあるのですが、そもそも「就活の軸」ってどういう意味ですか? 抽象的すぎてよく分かりません
就職活動をしていると、面接で「あなたの就活の軸は何ですか?」と聞かれたり、就活生同士で「就活の軸は?」という話になったりします。しかし、「就活の軸」という言葉はそもそもどういう意味なのか、改めて考えてみると抽象的でよく分からないと思う人も多いのではないでしょうか。また、「就活の軸」はそもそもないといけないものなのでしょうか。もし必要だとすれば、どういうものがあると良いのでしょうか。面接で聞かれたときのベストは答え方はあるのでしょうか。
A. 「就活の軸」はなくてもよいが、それを考えるプロセスには価値がある
「就活の軸」という抽象的な言葉が一般的になっているのは確かに本当に不思議な話です。この言葉がいつ頃から使われているのかは分かりませんが、面接でよく聞かれる質問の1つですし、学生同士も「就活の軸はなに?」とよく聞き合っています。「就活の軸」でなく、「就活の幹」や「就活の背骨」でもいいのですが、企業も学生もみんなそろって「就活の軸」という言葉を使っているので、もはや共通言語となっていますね。背景としては就職サイトの影響もあり、ありとあらゆる企業にエントリー出来るようになったため「何を基準(軸)にして企業に応募しているのか?」が分かりづらい学生が増えている状況があるからでしょう。
例えば「トヨタ自動車」「日産自動車」「マツダ」を受けている学生がいたとしたら、企業名だけでなんとなく「自動車業界を中心に受けているんだ」「自動車に携わりたいんだな」と、その学生の就職活動の企業選びでの基準(軸)が分かります。
しかし「リクルート」「ANA(全日空)」「日清製粉」を受けている学生がいたら「この学生はどういう基準で応募先企業を選んでいるんだろう?」と不思議になります。そんなときに「3つの業界のそれぞれのトップ企業を受けています」と言われると、その学生の「就活の軸」が「業界トップ企業」であることが分かります。
「就活の軸」とは言葉を変えれば「自分が働く上で大切にしたいものは何か?」です。それは「自動車に携わること」でも「業界トップ企業に入ること」でも何でもよいでしょう。それを見つけるにはまず、自分が何気なくエントリーしている企業の「共通点」を探してみるとよいです。やみくもに受けているように見えても何かしらの共通点があれば、それが「就活の軸」=「大切にしたいこと」である可能性が高いです。
自分が働く上で「大切にしたいこと」が分かれば、あとはそれがある会社を有名無名問わず探せばいいだけ。そのときにはもう「就活の軸」という言葉を使う必要はなく、「私の就活の背骨は……」でもよいし「私が企業選びで大切にしてることは……」でもなんでもよいので、自分の言葉でその思いを熱く語ってほしいと思います。
小寺 良二 プロフィール
ライフキャリアコンサルタント。米国の大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し企業の採用・人材育成に携わる。2009年に独立後は、若者のキャリア支援の専門家として、大学の教員やキャリアカウンセラーに向けた研修、企業・官公庁のプロジェクト支援など多岐にわたって活動中
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