中学受験に挑戦する場合、特に小学6年生になると長時間を勉強に費やすことになる子どもたち。日常的にどれくらいの勉強をこなしているのでしょう。気になる家庭学習の実態について、中学受験を経験した複数の保護者に話を聞きました。
平日に5時間以上!? 膨大な量の家庭学習をこなす子どもたち
6年生の秋以降は、受験生にとってはラストスパートをかけていく時期。1日あたりの平均勉強時間は、驚くべき結果となりました。6年生の秋ごろには、半数以上が3時間以上。冬ごろになると、学校がある平日に5時間以上勉強する子が2割を超えるという状況です。
本当にこんな量の勉強をこなしていたのでしょうか。中学受験を経験した保護者に話を聞いてみると……
「6時に起きれば、学校に出発する直前まで2時間あります。朝の勉強はいいと聞いていたので、算数の勉強はここで集中的にやらせるようにしていました。親も一緒に起きなければならないので、きつい日もありましたが、大変なのは本人のほうですし、毎朝起きて付き合いました(男子の保護者・神奈川県)」
「塾で出される宿題がとにかく終わらなくて。終わらないなら『できませんでした』と言って途中までを提出すればいいだろうと思うのですが、本人は先生に怒られるのがとにかく嫌だったようで。21時過ぎに塾から帰宅した日も、夕食と入浴をさっと済ませてすぐに宿題。遅いときは深夜0時を過ぎてしまう日もあり、さすがにやりすぎかなと感じることも多かったです(女子の保護者・神奈川県)」
あえて長時間の勉強を「させなかった」派の狙いは?
「毎日コツコツタイプではなかったので、子どもが勉強したいと思えるタイミングにまかせていました。塾では全力で集中して取り組んできてほしいので、家ではリラックスしてほしくて、勉強を促したことはありません(男子の保護者・東京都)」
「だらだらしないようにストップウォッチを使って、勉強時間を決めるようにしていました。最後まで終わらなくても、タイマーが鳴ったら終わりとします。毎朝、学校に行く前の30分間に集中して過去問の直しを1教科だけするとか、時間を区切ってやることを意識していましたね(男子の保護者・東京都)」
このタイマーを活用していたという男の子の保護者が、「受験生におすすめ」と実際に使っていた時計を教えてくれました。時間を決めてタイマーが設定できるシンプルな設計で、子どもでも扱いやすいようです。
休日は「9時間以上勉強」という強者も!?
メリハリをつけて、効率よく取り組む家庭がある一方で、終わらない課題に向き合い、特に秋以降は多くの受験生が志望校の過去問に取り組むことになります。
>「休日の勉強時間が9時間以上」の割合に驚がく……!
学校や塾がない休日も、受験生にとっては休みではありません。アンケートでは、半数以上が5時間を超える勉強時間となり、秋ごろには10%超、冬ごろになると15%の子どもが9時間以上も勉強しているという結果に驚きを隠せません。
「6年生の秋以降になると、土日も塾になるので、いわゆる休日というのはほぼない状況ですが、休日に休んでいる姿を見ると焦ってしまって……。つい『勉強しなくていいの?』と声をかけてしまっていました。いま振り返ると、相当勉強させていたなと思います。10時間くらい勉強した日も結構ありました。中学に入ってから毎日遊んでいますね(笑)(男子の保護者・東京都)」
この記事の筆者:古田綾子 プロフィール
雑誌・Webメディアの編集者を経てフリーランスライター。2児の母。子どもの受験をきっかけに教育分野に注力。自らの経験に基づいた保護者視点で、教育界の生の声やリアルな体験談などを取材・執筆。